脳・神経疾患の専門病院で理学療法士として働いています。患者様の年齢や症状はさまざま。特に若くて元気だった方ほど、病気以前と比べて動けなくなってしまった現実にショックを受けることが多いです。そんな不安な気持ちを理解したうえで「自宅に戻りたい」「できれば仕事に復帰したい」など、ご希望を丁寧に伺いながら症状を見極め、上司や同僚と相談してリハビリテーションを進めていきます。リハビリを一緒に頑張った患者様が元気になって退院されるときは、心から「よかった!」と思います。2ヶ月もの長い間理学療法を担当した患者様が退院する際、「小泉さんに担当してもらえてよかった」と涙まで流してくださったことは忘れられません。
人間総合科学大学にはさまざまな医療系学科があるので、医療について幅広く学べたことが大きかったです。特に看護・義肢装具との合同授業では、1つの症例に対してそれぞれの立場からのアプローチを話し合い、他職種との「チーム医療」を体験できました。理学療法士は義肢装具士と関わることも多いので、大学時代に義肢装具学科の人と交流できたことは今の仕事でとても役立っています。国家試験対策の講義では、グループ毎に担当の先生がいていつでも質問に行ける環境だったので安心できました。実は国試前の3ヶ月間、友人と同居して勉強づけの生活を送ったんです。あのとき、朝から晩まで勉強に打ち込めたことも合格につながったんだと思います。
高校時代から医療に興味があったのですが、きちんと調べたり将来について深く考えたりせず、一度は一般企業に就職しました。そんなとき、入院していた母が全く身体が動かせなくなっていたのに、リハビリで歩けるようになった姿を見て感動し、理学療法士を目指そうと決めたんです。医療の現場では、毎日同じ日なんてありません。うまく行くことばかりではなく、壁にぶち当たることも多いです。そこで諦めずに、どうすればいいか考えて乗り越える力が大事だと思います。それにはもちろん、医療についての知識や経験も大事ですが、何より強い気持ちが必要なんだと思います。昔の自分のような高校生に会ったら、そういったことを伝えていきたいです。
公益財団法人 脳血管研究所 美原記念病院勤務/保健医療学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻/2015年3月卒/私立保善高等学校出身/大学選びの決め手は、「前身の専門学校からの伝統があって、卒業生を数多く輩出しているから実習先に先輩がいて安心できること」だったそう。生理学や解剖学の授業で脳について学び、難しさと同時に魅力を感じて、どうしても脳専門の病院で働きたかったという小泉さん。先生のサポートもあり無事希望通りに就職し、忙しい日々を送っている。リハビリはチームで協力して進めるため、大学時代のグループワークの経験が活きているという。今後は、難関とされる認定理学療法士の資格取得が目標と話してくれた。