現在は小学校3、4年生クラスの担任を務めています。特別支援学校の一番の目的は、子どもたちが将来、社会人として自立できる力を身につけることです。障がいの度合いは一人ひとり違うため、支援に正解はありません。だからこそ、昨日はできなかったことができるようになった時や、自分の授業が子どもたちの心に響いた時の喜びは格別です。埼玉大学教育学部附属特別支援学校には小学部・中学部・高等部があるため、子どもたちの成長を長期的な視野で見守れることも魅力のひとつです。他のクラスや学年の先生方と情報交換をする機会も多く、日々さまざまな気づきを得られ、私自身も成長を実感することができます。
子ども発達学科の学生は、教員や保育者になるという共通の目標があるため絆がとても強く、地方出身の私もすぐに大学生活に馴染めました。先生方がとても熱心に指導してくださったことも印象に残っています。ピアノへの苦手意識を払拭できたのも、基礎から丁寧に教えていただいたおかげだと思います。入学当初は小学校教諭を目指していましたが、大学で小学校教諭免許状<国>があれば特別支援学級教諭になれると知ったことが転機になりました。卒業後も励まし合える友だちができ、本当にやりたい仕事を見つけることもできたので、サイガクで学んで本当に良かったと感じています。
私がいま強く感じているのは、「特別支援学校には、教育の本質がある」ということです。特別支援学校教諭と聞くと、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。でも、「子どもの個性を伸ばし、できることを増やしていく」という点では、普通学校も特別支援学校もまったく同じ。もちろん、子どもたちの成長を見守れる喜びも同じです。時には理解度に合わせて一人ひとり違う教材を用意するなど、普通学校とは異なる工夫が必要になりますが、その分指導力の向上にもつながります。少人数で子どもの個性に寄り添った教育をしたい人や、教員として生涯成長し続けたい人は、ぜひ特別支援学校教諭を進路として検討してみてください。
埼玉大学教育学部附属特別支援学校 勤務/人間学部 子ども発達学科/2019年3月卒/埼玉学園大学で小学校教諭免許状<国>と幼稚園教諭一種免許状<国>を取得し、埼玉大学教育学部附属特別支援学校に入職。現在は1年目に指導したクラスの担任を務めている。今後の目標は、子どもたちが主体的に学べるような授業をすることと、特別支援学校教諭免許状<国>を取得すること。「障がいのある子どもたちと関わった経験を活かして、将来はグループホームの立ち上げにも携わってみたいと考えています」と展望を語ってくれた。