精神科、消化器科、循環器科の病院で給食管理、栄養管理、栄養指導の仕事に従事。消化器科、循環器科の病院では、地域の人々に「食」の重要性を訴える講演活動を行うなど、35年にわたって臨床現場で経験を積み重ねてきました。2020年にはそれまで培ってきた知識や技術を後進に伝えるため教員へ転身し、以来、経験に基づいた研究及び活動に取り組んでいます。その一つとして、コンビニ食を活用した食事療法を研究中です。食事療法といえば「手作り」のイメージが強いと思いますが、共働き家庭や高齢者の一人暮らしが増えた今は調理に多くの時間をかけることができません。以前勤めていた病院で実際にレトルトカレーを開発・販売したことがあり、そのときのノウハウと人脈を活かし、実情に合ったレシピを学生と共に提案していきたいと思っています。
市販の食品をアレンジしてつくるのも「あり」です。患者さんの状況に応じた栄養管理を実践することが大切
臨床現場での経験談や裏話が聞けるのは坂本先生の講義ならでは。また、病院の管理栄養士を目指す学生は患者さんに食事を提供する「給食管理」より栄養ケアを行う「栄養管理」を重要視する傾向にあることから、献立作成や料理についての知識・技術がいかに大切かを経験をもとに教えてくれます。「給食管理ができなければ、栄養管理はできません」と坂本先生。臨床現場で起こるインシデントやアクシデント、さらには地震などの災害時に管理栄養士が取るべき行動や備えておくべきものなど、実践に役立つ知識や情報を得られるのも魅力です。
「失敗は人生の糧。学生時代はどんどん失敗して、そこから自分なりの答えを見つけてほしい」と坂本先生
デパートで売られている総菜を見て、どんな食材でつくられているのかなど、料理に興味を持ってください。栄養や食事についての正しい知識を身につけ、仲間とともに患者さんに信頼される管理栄養士を目指しましょう。
現場経験が長いのが坂本先生の強み。今も以前の職場の仲間や管理栄養士と会って、情報収集を欠かさない
1984年に藤女子短期大学家政科食物栄養専攻卒業後、2019年まで精神科、消化器科、循環器科の病院に勤務。2010年に藤女子大学大学院 人間生活学研究科 食物栄養学専攻 修士課程修了。2020年4月から現職。趣味は旅行。最近は家でドラマやアニメを観賞するのが楽しみ。
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