「イクメン」という言葉が使われるようになり、男性が育児休暇を取得したり、育児に参加する人も増えてきました。世界的に見ると、父親が育児をするのは当然の権利といわれていますが、日本には十分に浸透していません。もっと取り組みやすくするには、どのような環境、そして教育が必要なのかを「おやじの会」の調査や「父親の子育てネットワーク」の運営を通し、探求しています。最も重要なことは、親が客体ではなく、主体として子育てをすることです。そのための学び合いの場の創出に取り組んでいます。また、隣国の韓国は日本と共通する子育て、教育課題が多く、年に1~2回程度、調査に出向いています。最近は、韓国の農村地域で展開しているオルタナティブ教育(代案教育)を核とした地域づくりの形成過程の分析に取り組んでいます。
授業は「こども家庭支援論」や「こども家庭支援の心理学」を担当し、親の子育て困難を社会的背景から読み解くことができる力を養っています。ゼミでは毎年、不登校経験のある小中学生を受け入れているオルタナティブスクールに学生とともに訪問。そこでは学生が企画した学習効果のある推理ゲームやサイエンススイーツづくりなどをして交流する機会を設けています。また、「不登校」に関心がある場合、子どもの内面なのか、学校制度なのか、世界のフリースクール事情なのか、学生それぞれが深めたい切り口で研究を進めています。
リサイクルに興味があり在学中に自治体のゴミ処理検討委員になる学生や市民団体を立ち上げて子どもの学習支援をする学生もいます。問題意識を深掘りして活動する事が大切。一緒に挑戦して未来を変えていきましょう!
専門:社会教育、子育て支援、家庭教育支援
札幌市内の短大卒業後、就職の後、北海学園大学人文学部入学。出産や子育てサークルの活動などを通して社会教育や地域づくりに興味をもち、北海道大学大学院教育学研究科で教育学修士を取得、同研究科博士後期課程単位取得退学。2018年より本学に着任。「父親ネットワーク北海道」の事務局長、「さっぽろ子育てネットワーク」の事務局次長を務めるなど社会活動も積極的に取り組む。