帯と着物を仕立てる仕事をしています。お客様によって体型が違うので、基準表と実際の寸法を照合しながら仕立てたり、また縮みやすいものや透けている生地など、扱ったことがない反物については先輩や店舗に相談しながら仕事を進めています。時には非常に短い納期で納品しなくてはならないものもあったり、固い生地を扱ったりと大変なこともありますが、無事きれいに仕上がった着物を丁寧に畳んでアイロンをかけ、文庫紙に包んでいる時に大きな喜びと達成感を感じます。私が仕上げた着物に手を通してお客様の喜んでいる姿を想像しながら仕事をすることが、何よりの喜びであり、やりがいでもあります。
もともと小物作りなどの手芸が好きで高校は家政科に進学し、洋裁と和裁の両方を学びました。その当時、和裁の経験者であった祖母から和裁の魅力を聞いて興味を深め、もっと本格的に和裁について学びたいと考えるようになりました。ミシンを使うことが苦手で、手縫いで丁寧に作ることができる和裁に惹かれたことも理由のひとつです。東亜和裁を選んだのは、地元で通いやすく、しっかりと和裁が学べると思ったから。高校時代は甚平や浴衣ぐらいしか縫ったことはなく、ここで初めて振り袖や訪問着を作り、完成させた時には大きな達成感を味わいました。今は袷着物など、時間をかけて作るものほどやりがいを感じながら仕事をしています。
着物を1ヶ月に10枚仕立てています
着物の仕立てには必ず納期があり、短時間でいかにきれいに仕立てられるかが要求されるということを学びました。とても大変なことですが、制限時間がある分集中力と意欲、効率が高まり、以前よりさらに短い時間できれいに作ることができるようになった時は自分の成長を実感します。着物はとても繊細なものです。無意識のうちに生地を引っ張って縫ってしまうと、後からそれがシワの原因につながります。その感覚は口では説明し難く、自分の感覚を研ぎ澄ますことが重要です。これまで学んできた基本を大切にしながら、常識にとらわれず、柔軟な姿勢で常に挑戦し続け、これからもスキルを磨いていきたいと思います。
スピード感と仕上がり、どちらも大切にしています
株式会社東亜 勤務/和裁技能士育成コース 卒/2023年卒/和裁技能士として着物や帯の仕立ての仕事を行っている。2024年東商検定1級、着装2級を取得。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。