現代のインターネット社会において、学生と接する中で年々、実体験の乏しさや興味・関心の幅の狭さが気になっています。インターネットを介して間接的な体験をすることも良いですが、保育者は「心と体がよく動く」が大前提です。実際に子どもたちを目の前にした時の話し方や声の大きさ、表情はどうしたらいいのかなど学んだことを実践してみることで「なるほど!」「なっとく!」という実感を頭でわかるのではなく、自分の体を通して身につけてもらいたいと願っています。そこで、保育実習の事前学習では、先生役と子ども役にわかれて保育の一場面を体験し、子ども目線と保育・教育者目線の両方を体験してもらいます。それにより、自分が思うことと相手が感じることの違いがわかり、実践力を高めていくことができます。
保育教材研究の授業では、実際の保育現場でとても役立つとされる「パネルシアター」を製作しています。子どもたちの興味、関心や年齢に合った題材選びから始まり、分かりやすい伝え方などディスカッションを通して実際に製作しながら学びを深めていきます。また、自身の立てた指導案をもとに模擬保育を行い、実践に必要とされる導入方法、子どもの姿の予測や言葉がけ、個人差への対応、まとめの言葉がけなどの演習をします。まずは、思うようにやってごらんと促し、良かった点をしっかりほめて一人ひとりに寄り添いサポートしています。
「保育は人なり」という言葉があるように、保育の学びは子どもたちの成長を支える学びであると同時に自分自身の成長に繋がります。目標を持って学ぶことで自分の将来への可能性を私たちと一緒に広げていきましょう。
専門科目:保育教育課程、保育者論、保育内容健康、保育児童学概論、保育実習指導
愛知県大府市の公立保育園、知的障がい児通園施設、児童センターなどで40年間の現場経験を積み重ねる。現在も、児童センター運営や対面&オンラインでの子育てサロンに参加するなどのサポート活動をしている。