代官山にあるフレンチの名店で腕を磨き、系列店の立ち上げに携わった後、ワーキングホリデーによるフランス滞在など多彩な経歴を持つ野中さん。2年前にオープンした店舗と今後の仕事に対する考えを伺いました。
独立する際、じっくりと事業計画を練りました。まず重視したのが「コンセプト」。場所に合わせて店を作るのではなく、自分が作りたい料理と店舗の方向性、ご来店頂きたいお客様の層にあった場所を検討しました。ここ西麻布に来られるのは、経営者や会社役員など比較的時間に融通の利く方々。そのため、曜日や時間に縛られるのではなく、お客様の時間とご要望にあわせて臨機応変に開店し、満足度を高める努力は惜しみません。
学校では理事長先生をはじめ、多くの先生方に目をかけて頂きました。卒業後に就職した店舗はフレンチの草分け的な存在。そちらのシェフが特別講師として来校されており、縁が繋がりました。自分からも「店で働きたい」と直接アプローチしました。学生時代にどれだけ成長できるかは自分次第。一つのチャンスも無駄にしたくないとの思いから、グルメピックなどのコンテストをはじめ色々なことに積極的に挑戦し、充実した日々でした。
「N'onaka」の2号店を作りたいとは思っていません。それは私が作る味を確立して、守りたいから。代わりに「N'onaka」と聞けば、東京以外の人々にも通用するような名店に育てていきたいです。その上で「N'onaka」のエッセンスを取り入れた洋食や中華など別ジャンルの店舗を展開する方向はありかもしれません。また、ゆくゆくは地元八女の農家さんとタッグを組んで一次産業の盛り上げにも繋げたい。やりたいことは無限にあります。