本校の第4期生として卒業後、現在まで35年間一貫して分析化学の現場に身を置いてきました。お薬や化粧品が決められた通り配合されているかを調べること、調べる方法を決めること、いつもと違うことが起きたときに原因を調べることが専門です。分析化学って何?と感じる人は多いことでしょう。でも、お薬や化粧品など、毎日使う身近な製品を安全・安心・安定して供給することにも分析化学技術は欠かせない存在なのです。化粧品メーカーでは商品開発にも携わり、製薬会社では医薬品申請を担当。活躍の場を自ら切り開きながら、分析化学者としても品質管理責任者としても貴重な経験を重ねてきました。それらのすべてが私の財産。先を行く者だからこそ伝えられるすべてを、後輩となる分析化学者の育成に惜しみなく注ぎたいと思っています。
浦賀先生が主に担当するのは機器分析(ガスクロマトグラフィー・高速液体クロマトグラフィー)。基礎的な原理からトラブル対応まで幅広く、企業での実務経験を活かした実践的な指導が行われている。「卒業研究では学生自身が積極的に分析機器を使います。座学だけでは伝えきれない分析機器の便利機能など、実際の現場を想定しながらしっかりと使えるよう指導しています」。就職後もそれぞれの現場ニーズに合った分析結果が出せるよう、学んだ基礎知識と技術をもとに分析機器や分析方法をアレンジする柔軟性や専門性なども同時に育成する。
カラフルな三角フラスコの広告に魅了されて入学した18歳の私。35年経った今も本校の卒業生でよかった!と実感しています。どの職場でも卒業生と出会い、共通の話題で絆を深め協力し合えるのは歴史ある本校ならでは!
本校卒業後は民間企業に就職し、日本薬局方の試験・検査や試験法の設定、責任技術者や品質管理責任者、品質保証責任者として薬事対応を行う。「本校で学んだことが、社会でこんなに通用したことを伝えたい」と講師に着任し現在に至る。趣味はトランペット演奏。休日は息子と一緒にボーイスカウト活動での青少年育成に注力。