和菓子は「五感の芸術」とも言われます。食べた時に美味しさを感じる「味覚」、見た目の美しさである「視覚」、お菓子のほのかな香りや素材の香りを楽しむ「嗅覚」、フワフワやモチモチといった食感を味わう「触覚」、和菓子の名前の響きから連想する「聴覚」。和菓子は五感すべてで楽しむことのできる素晴らしさがあります。また、鎌倉時代からの歴史があり、日本の四季や行事、人が生まれてから亡くなるまで携わることができるところにも魅力を感じます。和菓子屋の家に生まれ、和菓子を長年見つめてきましたが、「きれい」や「美しい」、「楽しみに待っていた」など、私の作った和菓子でその人を笑顔にできるこの仕事に誇りを持って向き合っています。これからも「見て」「食べて」「喜んで」もらえる和菓子作りを心掛けてまいります。
長澤先生が実習の中で意識しているのは「なぜそうなるのか」を学生自身に考えさせること。「和菓子作りの基礎や製菓理論を、私の経験も踏まえて伝えていますが、一方でなぜその結果になるのか理由も理解していなければ、自分が思い描く菓子は作れないからです」。2年次には学生が中心となり、現場に近い形で時間内に指定の製品を作る『注文授業』も行われます。「時間と品質を守りながら、効率的に段取りを組む大切さを学ぶ機会になります」。”考える”ことを重視した学生主体の授業で、現場で通用する技術と人間性を育てています。
日本の文化と生活に根付いている「和菓子」は、いま世界からも注目されています。私たち日本人にとって身近な和菓子で大切な人を笑顔にしてみませんか?そして和菓子の素晴らしさを世界中に広めていきましょう!
専門分野/和菓子
静岡県生まれ。和菓子屋を営む家庭で育ち、両親の母校でもある日本菓子専門学校製菓技術学科へ進学。2008年に卒業後、(株)鉢の木製菓で和菓子職人としてのキャリアをスタートさせる。2011年より(株)成城風月堂勤務。この頃より和菓子研究団体「東和会」の月例品評会に毎月参加することで技術を磨き、最優秀技術会長賞など多数の入賞を果たす。2016年4月より日本菓子専門学校教員を務める。