法衣・和服のクリーニング、修繕、縫製、しみ抜き、染色加工を行う株式会社山口西光堂で、お寺様からお預かりした法衣の修繕、検品、たたみ上げを担当しています。宗派によって種類が違ったり、どのように使われているかによって直し方も変わってきます。修繕の仕方が法衣ごとに異なるのが楽しいですし、いろいろな技術を身につけられることにやりがいを感じています。お客様が大切にされている法衣を触るのは、怖いと思うこともあります。ですが、修繕が終わり、お客様が着用している姿を想像しながら、細心の注意を払って精一杯作業させていただいております。また、法衣修繕のことを多くの人に広める活動にも力を入れたいと思っています。
結婚や出産をしてからも続けられる職業に就きたいと思っていました。家族がきものが好きで、和裁士という職業があると教えてくれたのがきっかけで興味を持つようになり、将来の仕事にしたいと考えるようになりました。奈良きもの芸術専門学校に入学したのは、浴衣やきものを一からすべて自分で作れることに惹かれたからです。オープンキャンパスで感じた学校の雰囲気も、穏やかで楽しそうで、私に合っていると思いました。入学後、将来のことを考えるようになったときに、初めはきものを仕立てる仕事がしたいと思っていましたが、4年間学んだ和裁の技術を活かせる修繕の仕事を選びました。
和裁の技術だけでなく、着付けや華道、茶道、マナーを学べたことが、就職してからとても役立っています。特に、マナーについて学べたのが大きかったです。目上の方に接する際に、言葉遣いや気遣いについて知っているのと知らないのでは大違いです。本当に感謝しています。また、着付けの授業で和服の知識を身につけられたことも役に立っています。華道や茶道では、作法を大切にすること、一つひとつの動作を丁寧に行うことを学びました。現在、一つひとつの作業を丁寧に行うように意識できているのは、先生が根気強く指導してくれたおかげだと思います。私のことをちゃんと見てくれていると感じることができてうれしかったです。
株式会社山口西光堂 勤務/和裁テクニカルコース 卒/2022年卒/株式会社山口西光堂で法衣修繕を担当している鈴木さん。入社一年目で覚えることが多いからと、先輩から教わったことはノートに書き溜め、必ず復習することにしているという。「先輩は、わかりやすく、覚えやすく教えてくださいます。うまく質問ができないときも、整理してくれて、丁寧に教えてくれるのでとても感謝しています。いつか先輩のようになんでもできるようになって会社に貢献していきたいです」と話してくれました。