卒業制作『溶ける』が「カンヌ国際映画祭」に正式出品されました。カンヌに行った当時は21歳。世界で活躍するスター俳優や映画監督がレッドカーペットを歩いているのを近くで見て、世界との差を肌で感じ、悔しいという感情が生まれました(笑)。そのとき湧いた反骨精神は、その後の作品作りの原動力となっています。よい作品をつくるためには、役者さんとの信頼関係をつくることが大切だと思っています。映画『真っ赤な星』では、出演者の桜井ユキさんとお互いの過去をもさらけ出すほどいろんな話をしました。感覚まで共有できるようになってから撮影にのぞんだので、いいシーンたくさん撮れたのだと思います。
学校では、“映画作りでもっとも大切なこと”を教わったと思います。「まずは自分の半径5mをきちんと描ききれ!」という講師からの言葉で、作品作りへの意識が変わりましたね。“自分はこういう人間なんだ”ということを作品の中で表明し、自分の名刺代わりになる作品をつくりなさいと。『溶ける』がまさにそうなったわけで、恩師たちには頭が上がりません。
映画だけにこだわらず、ドラマやMV、PR映像など、面白いものにはどんどんチャレンジしていきたい。作品に関わるたくさんの人と協力して、ひとつの作品をよくしていく…そんな映像作りがやっぱり好きなんです。
フリーランス/映画制作科/2016年卒/映画『あの娘は知らない』のほか、ABEMA『恋と知った日』、テレビ東京『隣の男はよく食べる』、マカロニえんぴつのMV『恋人ごっこ』を監督する。