お客様のリアルな感情表現が、仕事の原動力に
PAミキサーは、簡単にいうと、大きな音をお客さんに届ける仕事。そして、そのためにアーティストを支える仕事でもあると思います。前者は“ハウスミキサー”といって、会場の巨大なスピーカーを操って、観客に音楽を届ける役割。後者は“モニターミキサー”で、ステージ上にいるアーティスト自身に歌や演奏を聴かせる役割です。舞台袖のミキサーを使って、アーティストが耳につけているモニター用イヤホンから聞こえてくる各楽器の音量バランスを調節したり、ステージ上の生音の響きも含めて、アーティストが歌いやすい音の環境を作っています。ライブ終わりに「歌いやすかったよ」「楽しかったです」みたいな一言が返ってくると嬉しいですね。
PAミキサーになろうと思ったきっかけは、東放学園在学中に、仲間と出かけた『FUJI ROCK FESTIVAL』です。そこで体験した圧倒的な音圧にドギモを抜かれて、「これはPAだな」と、この道を選びました。そのときに感じた音圧の衝撃、インプレッションみたいなものは、いまだに現場で感じ続けています。
ライブ中は、いつもアーティスト本人と「もう少しギターを上げたほうがいいよね」なんて、言葉を交わしながら音作りをしています。自分の演奏に専念しているアーティストを客観的に見て、どんなアドバイスができるかが重要。最近は音響機材もだいぶ軽くなって、体力的な負担も減ってきたので、男女問わず活躍できる職業になりました。グループ系のアーティストも多いので、たくさんのマイクやイヤモニを管理する作業などは、きめ細かな女性に向いていると感じます。とにかく男女を問わず、やりたいなら “なせばなる”の精神です。信念を貫いてがんばってほしいですね。
株式会社スターテック 勤務/音響技術科/2001年卒/サザンオールスターズの『茅ヶ崎ライブ2023』や、キヨの『キヨの東キヨドームinTOKYO DOME』などを担当。「自分が少し音量を上げるだけで、場内が一気に盛り上がったり、バラードにきれいなエフェクトをかけたら、しくしく泣いているお客さんがいたり。感情があふれているお客さんの様子を見るとやりがいを感じますね」と語る沼田さん。一方で、『キヨの東キヨドーム in TOKYO DOME』は音楽ライブと違って、トークがメインのイベントだったため、「320度くらいまでグルっとお客さんが入るなか、キヨさんの声が会場のどの位置にいても明瞭に聞こえるようこだわりました」と話す。
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