ほかとは違う、人を惹きつけるものを意識していきたい
レコーディングの仕事といっても、実際にマイクを立てて歌や楽器の音を収録する“録り”、収録された複数音声をひとつのLR音源にまとめる“ミックス”、総仕上げとして楽曲の音量や音圧を整える“マスタリング”など様々な作業があります。近年、私はミックスとマスタリングを手がけることが多く、乃木坂46や櫻坂46、AKB48のほか、K-POPアーティストが中心。この仕事の醍醐味は、一流のアーティストと出会い、彼らの感性を目の当たりにしながら、音で会話ができること。目に見えない音で評価されるのがこの仕事で、なかなか評価が目に見えないけれどアーティスト本人やわかる人には確実に伝わっている。そこが面白いところです。
東放学園の学生だった当時、学校で就職希望調査票が配られました。私は“希望する勤務地”の欄に、いきなり“ソニー・ミュージックスタジオ”と書いたんです。ふつうは“東京都”とか地名を書く欄なんですけどね(笑)。でも、先生がそれを頭の片隅で覚えてくれていて、学校にソニー・ミュージックスタジオからアルバイトの求人があった際に、真っ先に私にそのアルバイトを紹介してくれたんです。それがレコーディング業界への一歩を踏み出したきっかけです。
私の強みは、90年代半ばまでのアナログレコーディングと、その後のデジタルレコーディングの両方を経験していることだと思っているんです。アナログレコーディングを知るために、CDとレコードを聴き比べてみるのもいいですね。また、音源を聴く際に、楽器がどの位置に配置されているのかをイメージして絵を描いてみることも、すごく勉強になると思いますよ。
ZeeQ CO.,LTD. 勤務/音響技術科/1989年卒/レコーディングエンジニア・サウンドクリエイターとして、櫻坂46『I want tomorrow to come』、乃木坂46『歩道橋』、日向坂46『絶対的第六感』、V from BTS - Slow Dancing / THE FIRST TAKEなどを担当。「大人数の音源の調整は大変ですが、メンバー一人ひとりの声質や歌のキャラクターを活かしたいから、たとえ歌詞が2行しかない場合でも、その子にふさわしい音の設定を個々に作り込んでいます」と語る。YouTubeでの音楽コンテンツ作品のミックスでは、どんなメディアで再生しても、華であったり、色気を感じさせる音作りを目指しているという。
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