現代医療の根幹を支える臨床工学技士になるために |
病院内には様々な医療機器があり、それらの構造や動作原理は多岐にわたっています。近年、最新医療機器が検査や治療の中心になっており、機器抜きでの診療は考えられません。この状況の中で重要な役割を担うのが臨床工学技士です。臨床工学技士は各種生命維持装置の操作はもちろん、病院内の機器の保守管理や点検を行う現在の診療の根幹を支える業務を行っています。臨床工学科の授業の一つである「医療機器概論」では多岐にわたる医療機器の構造や動作原理をはじめ、様々な医学的な知識と紐付けしながら知識を身につけます。臨床工学技士は院内で唯一、各医療機器について深い知識を持つ存在。単なる機器の知識だけではなく、患者対応(接遇)なども学び、患者さんの診療を適切に行うための土台を養います。身につけることは多く大変ですが、生徒の理解を深められるよう丁寧に指導しています。 |
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単なる知識のつめこみではなく、現場で使える学びを大切にしています |
「血液浄化療法学」の授業では、臨床工学技士のほとんどが関わる〔透析業務〕について学びます。現代の注意すべき代表的な生活習慣病である糖尿病の合併症として起こりやすいのが腎不全。腎不全になってしまうと体内の老廃物を正常に排出できなくなり、血液透析装置を用いて、血液の浄化を行うことが必要です。透析を行う必要がある患者数は年々増加しており、現在約34万人。透析が必要な患者さんの治療を行うため全国には透析施設が多数存在しており、そこではたくさんの臨床工学技士が活躍しています。学んだことを実際の現場で活かすことができるよう、実際に教員が臨床工学技士として現場で働いてきた経験をもとに、各種生命維持装置を使用する上での安全管理のポイント、起こりうるトラブルなどを交えて説明することで、学生がより現場をイメージしながら学べるような授業づくりを心がけています。 |
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