お店のメイン料理のひとつである「あげ炭火焼」をはじめ、「ブリの照り焼き」や「季節の田楽」など、炭火を使って焼き上げる調理を担当しています。素材の持つ美味しさを最大限引き出すために、炭火は最適な調理法ですが、その一方で焼き加減を見極めることが難しく、作り手の技量が問われるので、責任とやりがいを感じています。また、盛りつけ方一つで料理の印象は大きく変わるため、日々お客さまの視点でお料理を見ることを心がけ、彩りや盛り付けも大切にしています。料理を絵に描いて記録したりなど、日々の努力と工夫は欠かせませんが、お客様から「美味しかった」というお声をいただけることは、毎日の仕事の大きな励みとなっています。
自ら学費を捻出するため、2つのバイトをかけもちしていたので、めまぐるしい学生生活でした。でも今思うと、毎日が新しいこととの出会いの連続で、あっという間に過ぎた2年間でしたね。入学して1年目は、新しいことを吸収することが面白くて“学ぶ楽しさ”を存分に感じました。2年目はこれに加え、同じクラスの友人に会う楽しさが、学校へ向かう大きな要素となっていました。社会人となった今でも、友人とは時おり集まってそれぞれ勤めるお店の新メニューや、近況などの情報交換を行っています。こんなふうに、同じ業界ならではの様々なことを相談できる友人が、東京誠心でできたことは、私にとってとても大きな財産だと思っています。
現在は、焼き方を担当しているので、次は煮方に進むことがこれからの具体的な目標です。とにかくひとつでも多くのことを吸収し、次のステップにつながるようにしたいと思っています。そして多くの経験を積み重ね、様々なセクションの内容を把握し、調理場全体を見られるような料理人になりたいですね。私の実家は、お味噌汁も煮干しと鰹節からきちんとだしをとって作る家庭でした。その料理の作り方一つひとつを、そして料理の楽しさを小さい頃から祖母に教わりました。ですから、私が料理人として一人前になったら私の料理の先生でもある祖母と一緒に、料理屋を開くことが夢なのです。それが調理の道を進む、私の一番の原動力になっていますね。
株式会社うかい とうふ屋うかい鷺沼店勤務/調理師科2年制日本料理専攻コース/2013年3月卒/面白い授業内容と包丁の巧みな技など、体験入学の際に見た、先生方の高い指導力と技術に驚き入学を決意したという八重幡さん。在学中に何度も何度も数をこなし、いわばカラダで反復して覚えた調理技術はもちろん、座学(なかでもとくに食品学)は、現在の仕事でとても役立っているそうだ。休日にはお店の同僚や先輩などと、勉強のために様々な飲食店を食べ歩くことも。また、お客様にお出しする料理は必ず自分の舌で確認をし、つねに新しい食材の味や食感を学ぶことも欠かさない。