作曲をメインに、作詞、編曲も手掛けています。レコーディングの際には、自らベースを演奏することも。自分で曲を作ってアーティストとして演奏するわけではないので、レコード会社やアーティストの事務所からの依頼に応じて曲作りをするという流れで仕事をしています。依頼はいくつかの作家事務所に出され、コンペ(オーディションのようなもの)を経て、採用されれば自分が関わった曲が世に出ていきます。やりがいはやはり、クライアントやファンの人たちに認められ、喜んでもらえたり、ヒットすること。あくまでも主人公はアーティストですから、私たちの仕事は完全に裏方なのですが、自分の曲が認められるってすごく嬉しいことなんですよ。
もともとベースを弾いていて、高校時代は、バンドを組んで演奏や曲作りも行っていました。将来はアーティストとしてデビューするよりも、「スタジオミュージシャンになって、レコーディングやライブサポートに参加したい」という思いを持っていました。そんなとき東京工学院のことを知り、体験入学に行ってみたところ、とても楽しくて、迷わず入学を決めました。卒業後はベーシストとしてたびたび演奏やレコーディングの仕事をしていましたが、それだけで食べていくことはできませんでした。プレーヤーとしてだけでは厳しいし、自分には向いていないことも実感して、曲作りへとシフトチェンジ。そして作曲事務所の門をたたいて、今に至ります。
高校時代まで、曲作りは自己流で行っていました。しかし、東京工学院に入って楽曲の制作を体系的に学んだり、自分の作った曲をプロに聴いてもらってフィードバックをもらえたことによって、楽曲制作の基本を学べたと思います。また、放課後に学校に残ってひたすら練習をしたり、他学科の学生と一緒にレコーディングやイベントをしたことも楽しかったですね。東京工学院にはのびのびとした自由な雰囲気がありました。やっぱり、好きなことをとことん自由にできるってすごく楽しいんですよ。今は僕自身が、東京工学院で講師も務めていますが、その「自由さ」はなくしたくないという思いで学生と向き合っています。
フリーランス/ミュージック科/2011年卒/著名アーティストの楽曲を始め、アニメやBGMなどの曲作りを広く手がけている。多忙な毎日のなか、母校である東京工学院専門学校のミュージック科で講師も務める。授業のモットーは「自由さ」。「学生一人ひとりの好みや目標を聞いて、なるべく自由にやってもらおうと思っています。もともと曲作りって正解がないので、自分のやり方を強要しても仕方がないし、意外なものが売れたりしますからね。ただ、遅刻や課題の提出には厳しいです。これは音楽の道に進むか否かに関係なく、人として大切なことですよね」。