大手メーカーの広告やポスターなどのデザインを担当することが多く、自分の作品を駅などで見かけると、次の仕事へのモチベーションにつながります。広告だけでなくパッケージやWEBデザインなども経験する中で、自然と応用力が身につき、自身のスキルアップに役立っていると思います。現在はチーフデザイナーとして、後輩の指導やチーム全体の効率アップも課題に。4~6人で複数の案件を同時に進めていくため、スムーズなコミュニケーションも大切な仕事です。そんなとき役立っているのは、学生時代のクラスメートとの交流。締め切り前に励まし合いながら課題に取り組んでいた経験が、現在の仕事を支えてくれています。
私自身が買い物をするときにパッケージで選びがちなので、「つい手に取ってしまうようなパッケージを作ってみたい」と思ったのが、デザインに興味を持ったきっかけです。ほかにもCDジャケットや映画のポスターなどを見るのも好きで、最初は漠然とした憧れからスタートした気がします。そのため分野を最初から限定せず、入学してからじっくりと進路を決められる3年制を選択しました。在学中はグラフィックデザインやパッケージ、WEBデザイン、映像などを幅広く学び、その中からグラフィックデザイナーを目指すことに。就職時には先生方に相談して、自分に合ったデザイン会社を勧めてもらうなど、学校から充実したサポートを受けられました。
デザイナーというと「絵がうまい人」というイメージがあるかもしれませんが、私自身は絵を描くのは苦手。在学中のデッサンの授業でも、クラスメートと比べると上手な方ではなかったと思います。実は同じデザインの仕事でも、絵の技術がそれほど必要ではない分野もあります。もし興味があるなら、「自分は下手だから」と諦めてしまわずに、デザインにはどんなジャンルがあるのか調べてみるのがおすすめ。私のケースのように、自分の希望がはっきりしていなければ、時間をかけて幅広く学んでみるという手もあります。高校生で将来の進路まで絞り込むのは難しいはず。焦らずに自分の興味や得意なことを見つけていくのがベストだと思います。
株式会社スパイス勤務/ビジュアルデザイン科/2016年3月卒/2016年4月 株式会社スパイスに入社。おもなクライアントは博報堂。カゴメ、DHC、docomo、アダストリアなど、さまざまな企業の広告・ポスター・パッケージなどを手がける。現在はチーフデザイナーとして後進の育成にも努めている。