勤めている会社は、社員全員がイラストレーター。私もその一員として、ソーシャルゲームのイラストを中心に制作しています。どんなキャラクターにするか、自分からアイデアを出すこともあれば、お客様から参考画像を渡されることもあります。描くのは女の子のキャラクターが多いですね。そのゲームをプレイする主な層の性別や年齢によって好みの絵柄が変わるので、毎回試行錯誤の連続です。お客様から厳しい意見をいただくこともありますが、そういった指摘には必ず良いものを作るヒントがあるので、前向きに取り組もうという気持ちになります。また、毎日イラストを描いているので、日々成長を感じられるのもやりがいになっています。
在学中は、先生の技術を自分のものにしようと必死でした。先生方は第一線で活躍するイラストレーターばかり。「これ以上はうまく描けない」という精いっぱいの作品でも、先生に見てもらうと気づかなかった色や構図のアドバイスがあり、作品がグッとよくなるのに驚きました。また、いろいろなサポートを行う学生スタッフになったのも楽しかった思い出です。印象に残っているのは、オープンキャンパスで案内した高校生の女の子のこと。最初は奥手だったのが、オープンキャンパスで何度か会ううちにどんどん積極的になって、「私もイラストレーターになりたい!」という言葉を聞いたときには、夢に向かう手助けができたようでうれしくなりました。
専門学校に入るだけで絵が上手になるわけではありません。大切なのは、自分から学ぼうとする姿勢。たとえば鉛筆一本で、紙と布の質感の違いを描く場合、光の当たり方や濃淡の付け方などの観察眼が不可欠です。自分なりのものの見方は、高校生のうちから養うことができると思います。また、専門学校では、たくさんの人と交流しながらさまざまな経験ができるので、まず自分から一歩踏み出す「きっかけ」を作ることが大切。私は卒業制作に真剣に取り組み、その作品が今の会社への就職につながりました。何かにチャレンジする姿を周りに見せることで、チャンスにつながることもあります。積極性を忘れずに、夢の実現を目指してほしいと思います。
合同会社シャレン勤務/イラストレーション学科 コミックイラスト専攻/2020年3月卒/イラストレーターとして第一歩を踏み出したばかりの横山さん。現在勤務している会社の社長が卒業制作展を訪れ、横山さんの作品を見たことが就職のきっかけになった。今は割り当てられた業務の計画に沿って、在宅で仕事をすることも多いと語る。「クリエイティブな仕事は不規則なイメージもあると思いますが、自分のペースで仕事をすることができ、とても恵まれた環境で毎日イラストを描いています」。