役を演じるときは「今何が求められているか」という“時代感”と、「この作品においてはこうあるべきでは?」という“自分の価値観”をすり合わせながら現場にのぞみます。その結果が視聴者に受け入れてもらえるとうれしいし「次もまたがんばろう!」と思えます。同時に「今回した選択は間違いじゃなかったんだな」と今後の活動への判断材料にもなっています。また、音楽活動でも、ものづくりにかける思いは変わりません。音楽活動の面白さは、出演作を通じて僕のことを知ってくださったファンの方たちに対してより作品を超えたカタチで“増田俊樹らしさ”を表現できるのが面白いところですね。
役作りの上で大切にしているのは、応援してくれる視聴者や監督、プロデューサーほか、作品に関わる方々の期待に応える芝居をすることです。それは、これまでに培ってきた“経験”がないとできないことなので、これから経験を積んでいく学生のみなさんには、まずは学校の授業で携わる作品と1分1秒でも長く時間を共有し、自分がいいと思う芝居を発表してみてほしいです。その評価を受け入れながら地道に考え、トライアンドエラーを繰り替えしていくのがいいかな、と思います。
声優という仕事は、「これが正解」という答えのない仕事ですが、作品を観てくださる人がいて成り立つものという側面は絶対的です。“アナ学”では中間公演・卒業公演など発表の機会がありますから、自分の評価を受け止めて演技を研究するのもいいし、もし誰の評価も気にせず自分を貫くならひたすら上達に向けて時間を割くのもいい。答えを「自分で」みつける意識があれば、きっとつかめるものがあるのではないでしょうか。
(株)トイズファクトリー 所属/声優科/2010年卒/アニメ『アイドリッシュセブン』、アニメ『僕のヒーローアカデミア』、アニメ『刀剣乱舞-花丸-』などに出演。他、ナレーション、吹き替え、ラジオ、舞台などで幅広く活躍中。また、アーティスト活動も行なっており、CDもリリースしている。