横浜にあるフレンチレストランでサービスマンをしています。サービスマンの主な仕事はお料理や飲み物をお客様のテーブルへ運ぶことです。常にお客様と接する仕事ですので、お客様との会話、コミュニケーションは特に大切にしています。たとえば、コース料理はあらかじめメニューが決まっているものですが、お客様との会話の中で好みを探り、可能な場合は好きな食材をコースに組み込むといったこともあります。また、フレンチに欠かせないワインも、料理やお好みに合わせてご提案させてもらっています。シェフが心を込めて作った100%の料理を120%、130%にすること、また厨房とお客様の架け橋になることが、この仕事の面白さだと感じています。
親からは、私は小さい頃「卵料理屋さんになりたい」と言っていたと聞いています。料理上手な祖母の影響もあり幼いころからずっと料理には興味を持っていたのだと思います。中学生の頃には「高校を卒業したら、料理の専門学校に行きたい」と決心していました。その後、高校を卒業して町田調理師専門学校に入学するのですが、当初は勿論シェフを目指していました。それがサービスマン志望に変わったのは恩師の影響です。失礼ながら、ごくごく普通のたたずまいで座学の時はとても優しい先生なのに、サービスの実習では洗練された立ち居振る舞いに一変。その姿を見て「自分もあんなふうになりたい」と決心が固まりました。
上級調理師科に在籍していましたので、実習がメインでしたが、一番記憶に残っている授業は「サービス実習」。始めはお客様役のクラスメイトを相手に練習を重ね、最終的には実際のお客様をお招きしてサービスを提供しました。私はとても緊張しやすいので、お客様を前にした時は心臓がバクバク。その緊張感を克服しようと、サービスの流れを頭の中で何度も反復し、今でもお客様に粗相をしてはいけないという緊張感を常にもち、納得いくまで準備することを大事にしています。学生時代の思い出では、合間をぬって取得した「レストランサービス技能士3級<国家資格>」の研修で軽井沢のホテルで実践的なサービスを学べたのも、とてもよい経験でした。
シェ・フルール横濱 勤務/上級調理師科/2012年3月卒/調理師を志して町田調理師専門学校に入学。そこで出会った恩師のサービスマンとしての立ち居振る舞いに感銘をうけ、サービスマンを目指すように。2012年に専門学校を卒業した後、横浜・元町の老舗フランス料理店「霧笛楼」を経て、現在は「シェ・フルール横濱」に勤務。目標としていたサービスマンとして活躍している。常にお客様の目に触れ、直接接するサービスマンの仕事。緊張感はもちろんあるが、その分喜びも大きいという。「お店に来店されたお客様が料理だけでなく、会話や雰囲気も楽しんで頂けて、お帰りの際に『楽しかった』と言ってくださるのが一番うれしいですね」。