SNSを利用して短編マンガを投稿するなど、プロデビューをめざして奮闘中です。マンガのテーマは主に、「日常生活の中での喜怒哀楽」。アイデアは、自分自身や周囲にいる家族や友人の日常や話からヒントを得て、そこから読者に共感を持ってもらえるようなマンガを描いています。そのために、細かなキャラ設定や、ストーリーにリアリティを持たせるにはどうすればいいか、セリフの言葉一つでも漢字にするかカタカナにするかなど、いろんなことを考えて描く。これらは難しいことですが、それ以上に楽しいことでもあるのです。自分の伝えたい気持ちをうまく表現でき、「そういうのってあるよね」と共感してもらえると、とてもうれしく思います。
少人数制だったので先生との距離が近く、一人ひとりに丁寧に対応してくださり、技術的なことや将来のことなど何でも相談ができました。おかげで、「コマ割りの余白の幅一つにも意味がある」──基礎的な技術はもちろん、そんなプロの視点を2年間で身につけられたと思います。先生はプロのマンガ家でもあり、その経験談も参考になりました。東京の出版社への持ち込み合宿や卒業展覧会、ネットへの配信といった学校のフォローがあり、作品を発表する機会や発信する方法を学べたことも役立っています。また、体験入学スタッフをしていたので他学科の人と交流があり、「何かを創る」という点でさまざまな発見があり楽しかったですね。
「型がある人間が型を破ると『型破り』、 型がない人間が型を破ったら『形無し』だ」という話を先生がしてくれました。つまり、きちんと基礎を身につけてこそ、オリジナリティを生み出せるということ。学べば学ぶほどマンガの奥は深く、一流のプロが描く「絵」は計算されつくしていて一つも無駄がないことがわかります。また絵だけでなく、ストーリーを作るにも高い技術と人間としての多様な経験が大切だと実感しています。歴史を調べて街を歩いたり、映画や展覧会で目を肥やしたり、アルバイトをしたり、いろんな体験や人との交流を通して、自分の幅を広げるとともに、焦ることなくじっくりと作品の幅を広げ、質を高めていきたいと思います。
マンガ家/マンガ学科マンガ制作コース/2016年卒/大阪府立港南造形高校出身/小学生のときにぜんそくで入院。「そのときにマンガを読んで、泣いたり、笑ったり、次の日もがんばろうと励まされたり…、そんな感動を与えてくれるマンガの力ってすごいなと思って、そこからはマンガ家に向かって一直線でした」。中学では美術部、高校も美術系に進学。高校卒業後は、マンガの基礎をきちんと学びたい、同じ志を持った人が集まる場所の方が自分のモチベーションが上がると思い、ODCに入学。「少人数制と雰囲気の良さに惹かれて決めました」。現在は、プロデビューを目指して修行中。