一人ひとりに時間を割いて「こうしてみたい」という思いを自信にして形にしてくれる
筑波大学附属高等学校
辻 笙子 2016年度入学
●じっくり学べる3年制という学び方
大学を卒業後、広告代理店で営業として勤務していました。もともと美術に興味があり、きちんと学んでみたいという想いはあったのですが、その機会が無かったので心残りでした。ですので「やっぱり美術を学びたい」と決意し、会社を辞めることにしました。
入学を決めたポイントは大きく3つ。ファインアートが学べること、家から近いこと、そして3年制だったことです。この条件を満たし、オープンキャンパスの時に先生とお話しをして、雰囲気が良かったので創形に入学をすることに決めました。他校には2年制の学校も多いですが、2年間で詰め込んで学ぶより、3年間で学べることの方が多いはずです。じっくり学びたい私には、3年制という環境はぴったりと感じました。
●オープンキャンパスで交わした熱い美術議論
オープンキャンパスのワークショップを行った中で、飯田先生とお話をする機会がありました。私は元々美術に興味があり、ある画家の作品について「何がいいのか分からない」と発言をしたところ「僕はここが素晴らしいと思う」と先生の意見をお話しいただいたり、そこから美術議論ができました。
他校にも見学に行ったのですが、オープンキャンパスという説明会の場でこういった対応をしてもらえたことはなく、逆に学校の教育方針や先生の考えを「我が校のやり方でやっていれば間違いない」のように押しつけられる印象を持つ学校も多々ありました。飯田先生との議論にはこうしたセールストークっぽさが無く、信頼することができました。公開日でもない普通の日に突然訪問した時にも、わざわざ案内についてくださり、少人数ならではの対応が嬉しかったです。
●丁寧すぎて延長する講評会(笑)
創形には自由な雰囲気があります。放任主義ともいえるのかもしれませんが、ある意味「適当」です(笑) 美術の専門学校ですが「展示会に一直線」とか「やらなければならないことがいっぱい」いうわけではなく、やりたいことをやりたいようにやらせてくれます。自分の才能を見つけて進んでいくにはとても良い環境だと思います。
少人数制なので先生が一人一人をしっかり見て、きちんと話をしてくれます。本当に丁寧に見てくれるので講評会は時間が延びることもあるのですが(笑)質問もしやすいですし、きちんと時間を割いてもらえる環境は大事ですね。
●仲間と立ち上げた【映画部】
多くの先生が「色々なものを吸収するためにも映画を観ることはよい」と言っているので、部活として映画部を立ち上げました。メンバーは同学年5-6人で、学科や専攻をまたいで集まっています。毎回違う先生におススメの映画を聞き、週に1度、水曜日の放課後にDVDを借りてきて観るようにしています。映画部を作りたい、と話したところ部活動申請を用意してくださり、DVDのレンタル代は学校から活動費として出してもらえるようになりました。
昨日は「自転車泥棒」を見ました。映画の種類は多岐にわたり、今週は「自転車泥棒」という70年前のアカデミー賞を受賞した映画を観ました。ゾンビ映画の時もあります(笑)先生に聞かないで自分たちで作品を選ぶ時もありますが、なるべく聞けるときはおススメの映画を聞くようにしています。画面の作り方や構成など、何をするにも映画は沢山見ておいた方が良いそうです。
●絵を描いたり学んだりできる環境にいたい
将来は絵を描いたり学んだりできる環境にいられるようにありたいと思っています。絵で食べるようになれれば良いのですが、結構現実主義なので割り切っているかもしれません。一度就職をしたけれど、自分の絵を描くことが大事なのでこの学校に来ました。なので、絵を描いていられる環境にあるのであれば仕事にしたいと思っています。就職をする、ということならいつでもできると思っているので、あまり就職一本とは考えていません。良い機会に巡り合え、そのまま絵で食べていくことができるのなら、そうなりたいと思っています。
●砂まみれになりながら作業したフレスコ
フレスコという中世に流行した絵画技法を学ぶ授業はやりがいがありました。モルタルを自分たちで練るところから始め、塗ったモルタルが乾かないうちに色づけをしなくてはならないので、一日少しずつしか進められません。2週間くらいかけてじっくりと作品を作り上げていきます。9階の教室にビニールシートを敷いて、皆で砂まみれになりながら作業したのがいい思い出です。フレスコ画は素晴らしい絵が沢山出てきているので、これらの絵がこうやって描かれてきたのかと実感できたのでとても良かったです。
●1年の時に他の学科の基礎も学べるのは良い
元々ファインアートが学びたくて入学したのですが、1年の時に他の学科の基礎も全部学べるというカリキュラムがいいなと思っていたので、他の技法も経験できるのは非常に良いと思います。グラフィックデザインなどもちゃんと学んでおけば就職口が広がるかもしれません。他の学科を志望している人やそれぞれの経歴など、様々な人がいるので色々な影響を受けることができるので、一年目にそういった環境に身を置けるのはとても良いことだと思います。
創形は元々人数が少ないのでみんな知り合いですが、この1年の基礎の段階で仲良くなることができます。映画部の
メンバーもこの時に仲良くなった人たちが多いですし、今でも昼休みには3階の休憩室で他の学科の友人と一緒にお昼を食べたりしています。
●否定はせずに、個性を伸ばそうとしてくれる先生
正直、既卒者はそんなに多くありません。私の学年には3人なので、約1割です。しかし、学年みんな仲が良いので既卒だから、高卒だから、ということはあまりなく話せる人はいます。留学生も多いので、周りから浮くということもありません。成人しているので、先生とお酒を飲みに行ったりもできます(笑)先生との関係性は本当に良くて、「こういうところがいい」「ここはもう少しこうした方がいいかも」というアドバイスはありますが「もっとこうしなさい」といった発言は一切ありません。否定はせずに、個性を伸ばそうとしてくれるので、ありがたいです。
●やりたいことがあればやっていい
創形は「自由な学校」だと思います。本当に自由なので、やりたいことがあればやっていいと言われているし、やる気がある人にはとても良い環境だと思います。先生方も応援もしてくれます。
それならやりたいことが決まっていた方がいいのかというと、それは人によります。私はまだやりたいことが決まっていないのですが、ぼんやりある「こうしてみたい」という思いを自信にして形にしてくれている、そんな学校です。
辻 笙子さん(ファインアート科 版画専攻2年)国立筑波大学附属高校後、立教大学卒業
大学を卒業後、広告代理店で営業として勤務していました。もともと美術に興味があり、きちんと学んでみたいという想いはあったのですが、その機会が無かったので心残りでした。ですので「やっぱり美術を学びたい」と決意し、会社を辞めることにしました。
入学を決めたポイントは大きく3つ。ファインアートが学べること、家から近いこと、そして3年制だったことです。この条件を満たし、オープンキャンパスの時に先生とお話しをして、雰囲気が良かったので創形に入学をすることに決めました。他校には2年制の学校も多いですが、2年間で詰め込んで学ぶより、3年間で学べることの方が多いはずです。じっくり学びたい私には、3年制という環境はぴったりと感じました。
●オープンキャンパスで交わした熱い美術議論
オープンキャンパスのワークショップを行った中で、飯田先生とお話をする機会がありました。私は元々美術に興味があり、ある画家の作品について「何がいいのか分からない」と発言をしたところ「僕はここが素晴らしいと思う」と先生の意見をお話しいただいたり、そこから美術議論ができました。
他校にも見学に行ったのですが、オープンキャンパスという説明会の場でこういった対応をしてもらえたことはなく、逆に学校の教育方針や先生の考えを「我が校のやり方でやっていれば間違いない」のように押しつけられる印象を持つ学校も多々ありました。飯田先生との議論にはこうしたセールストークっぽさが無く、信頼することができました。公開日でもない普通の日に突然訪問した時にも、わざわざ案内についてくださり、少人数ならではの対応が嬉しかったです。
●丁寧すぎて延長する講評会(笑)
創形には自由な雰囲気があります。放任主義ともいえるのかもしれませんが、ある意味「適当」です(笑) 美術の専門学校ですが「展示会に一直線」とか「やらなければならないことがいっぱい」いうわけではなく、やりたいことをやりたいようにやらせてくれます。自分の才能を見つけて進んでいくにはとても良い環境だと思います。
少人数制なので先生が一人一人をしっかり見て、きちんと話をしてくれます。本当に丁寧に見てくれるので講評会は時間が延びることもあるのですが(笑)質問もしやすいですし、きちんと時間を割いてもらえる環境は大事ですね。
●仲間と立ち上げた【映画部】
多くの先生が「色々なものを吸収するためにも映画を観ることはよい」と言っているので、部活として映画部を立ち上げました。メンバーは同学年5-6人で、学科や専攻をまたいで集まっています。毎回違う先生におススメの映画を聞き、週に1度、水曜日の放課後にDVDを借りてきて観るようにしています。映画部を作りたい、と話したところ部活動申請を用意してくださり、DVDのレンタル代は学校から活動費として出してもらえるようになりました。
昨日は「自転車泥棒」を見ました。映画の種類は多岐にわたり、今週は「自転車泥棒」という70年前のアカデミー賞を受賞した映画を観ました。ゾンビ映画の時もあります(笑)先生に聞かないで自分たちで作品を選ぶ時もありますが、なるべく聞けるときはおススメの映画を聞くようにしています。画面の作り方や構成など、何をするにも映画は沢山見ておいた方が良いそうです。
●絵を描いたり学んだりできる環境にいたい
将来は絵を描いたり学んだりできる環境にいられるようにありたいと思っています。絵で食べるようになれれば良いのですが、結構現実主義なので割り切っているかもしれません。一度就職をしたけれど、自分の絵を描くことが大事なのでこの学校に来ました。なので、絵を描いていられる環境にあるのであれば仕事にしたいと思っています。就職をする、ということならいつでもできると思っているので、あまり就職一本とは考えていません。良い機会に巡り合え、そのまま絵で食べていくことができるのなら、そうなりたいと思っています。
●砂まみれになりながら作業したフレスコ
フレスコという中世に流行した絵画技法を学ぶ授業はやりがいがありました。モルタルを自分たちで練るところから始め、塗ったモルタルが乾かないうちに色づけをしなくてはならないので、一日少しずつしか進められません。2週間くらいかけてじっくりと作品を作り上げていきます。9階の教室にビニールシートを敷いて、皆で砂まみれになりながら作業したのがいい思い出です。フレスコ画は素晴らしい絵が沢山出てきているので、これらの絵がこうやって描かれてきたのかと実感できたのでとても良かったです。
●1年の時に他の学科の基礎も学べるのは良い
元々ファインアートが学びたくて入学したのですが、1年の時に他の学科の基礎も全部学べるというカリキュラムがいいなと思っていたので、他の技法も経験できるのは非常に良いと思います。グラフィックデザインなどもちゃんと学んでおけば就職口が広がるかもしれません。他の学科を志望している人やそれぞれの経歴など、様々な人がいるので色々な影響を受けることができるので、一年目にそういった環境に身を置けるのはとても良いことだと思います。
創形は元々人数が少ないのでみんな知り合いですが、この1年の基礎の段階で仲良くなることができます。映画部の
メンバーもこの時に仲良くなった人たちが多いですし、今でも昼休みには3階の休憩室で他の学科の友人と一緒にお昼を食べたりしています。
●否定はせずに、個性を伸ばそうとしてくれる先生
正直、既卒者はそんなに多くありません。私の学年には3人なので、約1割です。しかし、学年みんな仲が良いので既卒だから、高卒だから、ということはあまりなく話せる人はいます。留学生も多いので、周りから浮くということもありません。成人しているので、先生とお酒を飲みに行ったりもできます(笑)先生との関係性は本当に良くて、「こういうところがいい」「ここはもう少しこうした方がいいかも」というアドバイスはありますが「もっとこうしなさい」といった発言は一切ありません。否定はせずに、個性を伸ばそうとしてくれるので、ありがたいです。
●やりたいことがあればやっていい
創形は「自由な学校」だと思います。本当に自由なので、やりたいことがあればやっていいと言われているし、やる気がある人にはとても良い環境だと思います。先生方も応援もしてくれます。
それならやりたいことが決まっていた方がいいのかというと、それは人によります。私はまだやりたいことが決まっていないのですが、ぼんやりある「こうしてみたい」という思いを自信にして形にしてくれている、そんな学校です。
辻 笙子さん(ファインアート科 版画専攻2年)国立筑波大学附属高校後、立教大学卒業