住宅情報の構造欄で目にするRC造(鉄筋コンクリート構造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート構造)には文字通りコンクリートが使われています。私の授業では将来の仕事に活かせるコンクリート材料を吟味する力と、耐久性コントロールの技術を身につけることに力を入れています。地震大国の日本では、より耐久性の高いコンクリートが求められます。そこで実習と実験に重きを置き、コンクリートの硬さや鉄筋の種類、本数を調整しながら自分たちでコンクリートをつくり、それがどの程度の強度を持つか、耐久度を変えて爆裂するまで実験し、理解を深めます。本校はコンクリートを学ぶ学生たちが集う全国大会で優勝経験があり、その時の課題は指定された硬さのコンクリートづくりでした。指定ぴったりに合わせての優勝だったのは、学びが身についていた証でしょう。
加藤先生の授業はコンクリートの材料と性質、種類を知ることからスタート。その後、コンクリートづくりと実験を繰り返しながら、起きた事象は「どういう要因が考えられる?」「どうすればよい?」と話し合い、維持管理まで学びます。先生のストーリー性をもった指導は理解しやすく考える力もつきます。建築分野で活躍中の卒業生が多いのは「コンクリートだけでなく、建物の構造やデザインなどを勉強するなかでコンクリートの知識が活かされる学び」「お客様の要望にこたえる実務優先の教育」のため。即戦力を目指すサポートは手厚いです。
本校のカリキュラムはすべて必修のため偏りなく学べ、建築業界が求める知識と技術を実習を通して体で覚えられます。文系でも建築に関心があれば心配は要りません。一緒に学び建築の仕事を目指しましょう。
専門:コンクリート工学
工学博士。1983年より浅野工学専門学校の教壇に立つ。授業だけでなく就職指導にも長年携わっており、2022年校長に就任。コンクリート分野に関する執筆を多数手がけるほか、日本経団連キャリア・アドバイザーを務めるなど、幅広い立場から建築業界の発展に貢献する。