東天紅上野本店のレストラン「ルーキスガーデン上野」が私の職場です。主に食材のカットなどの下処理を担当していますが、ランチタイム・メニューの酢豚やエビチリなどを作らせていただくこともあります。長い歴史を持つ中国料理の名店に求められるクオリティは高く、鍋を振る際には緊張もしますが、自分がワンステップ進めたことに嬉しさも感じています。また、サービスを担当される方から「お客さまが“美味しかった”と仰っていましたよ」などと声をかけていただくことがあり、そんな時はホッとすると同時に大きな喜びが湧いてきます。これからも毎日の仕事に全力で取り組み、上司・先輩に信頼される調理師になりたいと思っています。
小さな頃から食べることも作ることも大好きでした。母親に教えてもらいながら初めて一人で作ったチャーハンを“美味しいね”と褒めてもらった時の嬉しさは格別でした。小学校の卒業文集に“料理を作る人になりたい”と書いていましたが、高校生になってもその思いは変わらず本格的に勉強しようと決意。どの料理分野に進むか決めかねていた私にとって、和・洋・中を万遍なく学べるカリキュラムが魅力だったことと、アットホームな雰囲気に惹かれて新宿調理師専門学校で学ぶことにしました。また、校長先生の「調理師とは、食卓に素敵な笑顔の花を咲かせる仕事です」という言葉にすっかり参ったこと(笑)も学校選びの決め手でした。
好きで作っていた料理とプロに求められる知識・技術には格段のレベル差があり、入学当初は戸惑いも感じましたが、昨日まで知らなかったことを知り、出来なかったことが出来るようになっていく喜びを味わうことができる楽しい毎日でした。もちろん、出来るようになるためには努力も必要ですので苦手だったオムレツなどは家で何回も練習しました。そんな学校生活の中で培われたのは技術だけではありません。調理実習はグループで行われるため役割を分担することもあったため、自分のやるべきことだけではなく、他のメンバーの進み具合などにも目を向けるようになり、それらを通して協調性や周囲に気を配る視野の広さも身についたと感じています。
株式会社東天紅 ルーキスガーデン上野 勤務/調理師専修科/2018年卒/小さな頃から母親と一緒に食事やお菓子を作っていたという金子さん。将来の職業として調理師を思い描いていたその頃は、漠然と洋食の“コックさん”をイメージしていたが、専門学校入学後、中国料理に惹かれるようになり同期の女子学生の中で唯一、中国料理の道を選択。その魅力は「食べて美味しいのはもちろんですが、鍋振りの豪快さの裏に下味のつけ方などの繊細さが隠れていることに料理の奥深さを感じました」と語る。卒業後に入社した株式会社東天紅では宴会料理の部署を経て、2020年から現職。埼玉県立鴻巣高等学校在籍中はバスケットボール部の選手として活躍していた。