豪快でありながら、繊細さもあわせ持つのが中国料理です。そしてその基本となるのが、鍋・油の温度調節と火の使い方です。例えば、食材も計量して全て同じ量、使う調味料も同じ。でも、なぜか班ごとに仕上がりが違う…。この理由は何か。それは火の通り具合だけでも、味がガラッと変わってしまうからです。料理を完成するまでの工程で、実はとても難しいのが温度調節と火の使い方なのです。だから時間をかけてじっくりと丁寧に、学生たちには教えています。人に食べ物を提供する料理人は、特に衛生といった面では半ば医師と肩を並べる職業だと私は考えます。だからこそ、料理人としての心構え、仕事へのプライドを持って現場に出てほしい。有名にならなくたっていいんです。ただ、立派な料理人になってほしい。その思いで、学生たちを指導しています。
渡辺先生のダイナミックな鍋の振りや、繊細な包丁さばきに思わず息をのむ学生たち。「この姿がカッコイイ!」。そんなシンプルな動機から中国料理を選ぶ学生も多いといいます。実習が始まると早速、豪快な鍋振りに挑戦する学生たち。でも、コツを知らずしてはなかなか上手くいきません。先生は実習中も各班に目を配り、丁寧にアドバイスをして回ります。最初は包丁の研ぎ方から始まり、年間で約50品の基本メニューを学ぶ渡辺先生の授業。まじめな顔をしながら、先生の口から突然飛び出す“寒い”ギャクも、その人気の秘密のようです。
遊びも、勉強も、高校時代にしか出来ないことを今のうちにたくさんしておきましょう。それから、自分の夢や目標を見つけておきましょう。たとえ小さな夢や目標であっても、それがあるだけで人は頑張れるものですよ!
子どもの頃、家族と共に訪れた中国料理店で初めて食べた「エビのチリソース煮」が、料理人をめざした最初の原点と振り返る。料理との四川料理の名店・近鉄大飯店 銀座四川で料理人としてのキャリアをスタート。以来、四川料理の料理人として峰山苑 日本橋等でキャリアを重ねたのち、現在に至る。趣味はスポーツ全般、楽器演奏、音楽鑑賞。