建築施工学科では、工事現場の責任者として良質な建物を予算内・工期内に安全と環境に配慮して施工できるよう、全体的な管理を行う施工管理者を目指します。私は大手ゼネコンに勤めていた施工管理の経験者として、また修成で学んだ先輩としても、自らの体験をもとにして丁寧な指導を実践。施工管理を行う上で重要とされる5大要素、QCDSE(Quality:品質、Cost:原価、Delivery:工期、Safety:安全、Environment:環境)について、具体的な事例を交えてわかりやすく教えています。授業では実習や実験、測量、現場見学など多種多様な教育を繰り返し実施。即戦力となれるスキルはもちろん、何もない状態から立派な建物を完成させることで得られる達成感、全ての工程を自らの監督指示のもとで行うやりがいまで伝えようと心掛けています。
井上先生の担当する「ワークショップ」は、測量や材料実験、施工実習といった実習を主体とする授業である。測量については、速さよりも正確さを重視した指導を実施。材料実験では、工作や理科のような面白さが味わえる。グループごとに型枠を組立て、コンクリートを作り、潰すまでを体験。「同じ条件で作ったはずなのに強度が違う。その理由を探る過程は刺激的で楽しく取り組むことができます」と井上先生は話す。「施工実務」は現場管理を行う上で必要な知識を修得。「ライセンス」では、2級建築施工管理技士などの資格取得を目指す。
世の中には素晴らしい建築物がたくさんあります。身近な建物にも優れた技術が使われています。皆さんには、そんな知恵と工夫が詰まった建物の魅力に触れ、ぜひ観る側から作る側になってほしいと考えています。
専門:施工実務
修成建設専門学校を卒業後、ゼネコン(大手総合建設会社)に就職。10階建て前後のマンションからサービス付き高齢者住宅、JV(ジョイントベンチャー)の案件ではポンプ場の現場にも携わるなど多様な案件に関わる。14年間勤務した後、2020年2月より住環境リノベーション学科に所属し、現在に至る。「サグラダ・ファミリアが大好きで、スペインのバルセロナまで観に行きました。あの時の感動が、私の元気の素です」。