新千歳空港国際線で検疫探知犬・エマと一緒に、海外からの手荷物などに国内持ち込み禁止物が入っていないかをチェックする「ハンドラー」という仕事をしています。国内持ち込み禁止物とは、加工品を含む肉製品全般と、生の果物や野菜のこと。これらには日本の農畜産物に大きな被害をもたらす病害虫や伝染病ウイルスが付着していることがあり、空港内で発見することで、国内への侵入を未然に防ぐことができます。この仕事は、大好きな犬をパートナーにして働ける点が魅力ですが、何よりも日本の農畜産業を守る重要な役割を担っています。農畜産業を営んでいる方、そして消費者の皆さんの食生活を守っていると考えると、とてもやりがいを感じます。
高校を卒業後は大学に進学しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、授業に参加できないなど行動が制限されました。このとき、改めて自分を見つめ直し、本当に自分がやりたいことは犬と関わる仕事であると気づいたんです。そこで大学を中退して、北海道どうぶつ・医療専門学校に再入学しました。この学校を選んだのは、学内犬がいるので毎日のお世話を通じて総合的に学べると思ったから。再入学した後に、テレビで検疫探知犬ハンドラーのことを知り、純粋にかっこいいと思ったのがハンドラーを目指したきっかけです。担任の先生に相談した際にこの会社を紹介いただき、インターンシップでの研修を経て内定を受け、入社しました。
犬との日常生活もそうですが、私のように大勢のお客様がいる空港で検疫探知犬と仕事をする際も、犬が周囲の人々に危害を加えない=犬の安全を守るためには、「犬をしつけること」「人と犬との関係性をしっかり築くこと」がとても大切です。そのことを北海道どうぶつ・医療専門学校では重視していたため、徹底して基礎を身につけることができました。また、ハンドラーとして検疫探知犬と一緒に働くだけでなく、餌やりや散歩といった飼育管理、シャンプーや爪切りといった健康管理、犬舎の掃除なども欠かせない業務です。在学中に、これらについて学校にいる学内犬と一緒に学ぶことができました。それが現在の業務にとても役立っています。
株式会社フロントベル 勤務/ペット学科 総合ペット専攻/2023年卒/高橋さんと検疫探知犬のエマはともに経験歴1年。お互いルーキー同士で、日々学び、成長しながら、北海道の農畜産業を守っている。当面の目標は「私もエマも、会社の皆さんから尊敬される存在になること」。休日は、自宅で飼っているワンちゃんと散歩に行ったり、音楽を楽しんだりしているそう。「体力はもちろん気もつかう仕事なので、休みの日はなるべくリフレッシュするよう心がけています。時間に余裕があるときはお菓子づくりをしたり、好きなことをして過ごしています」。