学生時代から「小児に関わる場所で働きたい」と考えていました。在学中は小児ゼミに所属し、卒業後は小児疾患の理学療法を行うクリニックに入職。現在は教員の傍ら、週に1度療育園で臨床研修をしています。療育園は、身体的・知的な障害を持つ就学前の子どもが対象で、保育がメインの場所。そこで理学療法士として、どんな運動や動作を取り入れたらよいのか指示をしています。言葉で伝えづらい乳幼児や知的な障害を持つ子どもに、いかに指示を伝えるかが難しいですね。その子にとってリハビリが嫌なことにならないよう、苦慮しています。また対象児だけではなく、保護者との関わりも重要になります。時には一緒に悩むこともありますが、共に成長を喜べるのが醍醐味。自分が関わることで、少しでも子ども達の将来が広がればと思っています。
前沢先生の小児ゼミは、2年生からの課外授業。小児セラピストに興味を持つ学生が集まり、小児分野の科目の復習や先生が経験した臨床事例をもとに、どう対応するかを話し合う。楽しみながら学べるよう教材も工夫し、国家試験にも出る内容を盛り込んだカルタは好評だったそう。「答えをすべて提示するのではなく、学生が自ら答えを導き出せるよう指導しています」と前沢先生。臨床像を理解しすいよう、事例もできるだけ詳細に伝えている。「小児分野に関わる人材はまだまだ不足しています。少しでも興味を持つ学生が増えて欲しい」と語る。
理学療法士の仕事は、幼児から高齢者まで幅広い年齢の方が対象。医療機関、老人保健施設、小児関連施設、訪問リハビリステーションなど、働く場も多彩です。興味のある方はぜひオープンキャンパスへお越しください。
専門/理学療法学
2008年、国際医学技術専門学校 理学療法学科卒業後、クリニックに入職し理学療法士として活躍。2021年より同校の理学療法学科で教員として学生を指導。
論文:片脚ブリッジ時における挙上側・支棒側の内腹幹筋・腹横筋の動態
分担執筆:運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略、機能解剖と触診