20~40代をターゲットにしたブランドを展開するアパレルメーカーで働いています。パタンナーの仕事は、デザイン画を元にパターンを引き、サンプルをつくり、デザイナーたちと話し合いながら製品をつくること。ファスナーなどの付属を選んだり、着心地に配慮して縫製方法を指定したりすることも、私たちの役目です。生地とパターンがぴったりはまって、かわいいアイテムができたときはわくわくします。さらに、社内の会議で好評を得て、製品の販売が決まるときは、一緒につくったみんなの思いが叶う気がして嬉しくなります。先日、自分が携わった服を着た女性を街で見かけました。声を掛けたくなるぐらい、幸せな気持ちでいっぱいになりました。
学生時代に一番力を入れたのは卒業制作です。ファッションデザイン専攻科は、3年生になると、自分のブランドをつくって卒業記念展で作品を発表する課題に取り組みます。私のブランドは「日常」がテーマ。毎日放課後に残って作業を続け、3点の衣装をなんとか完成させました。記念展当日、私の作品をまとったモデルさんがランウェイを歩く姿を見たときは、感動して泣いてしまいました。パタンナーの職業に関心をもったきっかけは、「企業コラボ」の授業です。自分のパターンを工場で形にしてもらう機会があり、パターンの小さな違いが製品の仕上がりに大きく影響をおよぼすことを知って、そこからパターンの奥深さに魅了されるようになりました。
私が働く会社には、約40名のパタンナーがいます。10年、20年とキャリアを積んできたベテランの方も多く、一緒に働くだけで勉強になります。先輩方が引いたパターンのサンプルは、私のサンプルと比べると、同じ採寸でもラインの美しさや着心地が全然違います。パターンを一目見るだけで、修正するべきポイントを瞬時に見つけて的確にアドバイスしてくださいます。高い専門技術をもつだけでなく、後輩を温かく見守り、分かりやすい指導をしてくださる先輩方は、私にとって憧れの女性です。日々の仕事を通して技術を磨き、どんなアイテムでも、どんなテイストの製品でもあつかうことができる力を身につけて、先輩方に近づきたいです。
株式会社ジャヴァコーポレーション パタンナー 勤務/ファッションデザイン専攻科/2018年3月卒/昔からファッションに関心があったが、当時は服をつくる職業に就くことは考えていなかった。高校3年生のとき、友だちの付き添いでKORANのファッションショーへ。丁寧につくられた衣装の数々を見て感動し、「私も服をつくりたい」と思って入学を決める。在校中、企業コラボの授業がきっかけでパタンナーを志すようになった。「学校の先生が親身になって相談に乗り、パタンナーとして活躍できる企業を一緒に探してくださいました」。教員の紹介もあって、卒業生も活躍している株式会社ジャヴァコーポレーションに就職した。