「おやつが食べたいな」と思った時、手軽に買える本格的な手作りスイーツを提供したい―。その思いで24歳の時、東京・江東区に「today's OYATSU…」をオープンしました。地元でない場所での開業でしたが、「今だ!この場所だ!」と決意してからはワクワクしながら開業準備。テーブルをDIYしたり店舗の壁を塗ったこともいい思い出です。オープン初日、店の外の行列を見た時の感動は忘れられません。今では常連さんも増え、理想のスイーツを作れる喜びを日々感じています。ケーキ屋さんの素晴らしさは、お祝いやお土産、ご褒美など、幸せな気持ちのお客様と接する機会が多いこと。そんな特別な瞬間のお手伝いができるのが、この仕事の醍醐味です。
最も印象に残っているのはケーキ屋さんの経営について考える授業です。漠然と「独立開業したい」と考えていた私にとって、価格設定、内装費用の見積もり、1日の売上目標などを具体的に考えることにつながりました。また、学生時代に食品衛生責任者の資格を取得できたことは、どこで働く上でも役立ちましたね。同じ校舎に入っている他校との交流があったこと、ブライダル学科からの依頼で大きなウエディングケーキを作ったこと、先生の経営するケーキ屋さんでアルバイトをしたこと、インターンシップに参加したこと…やりたい!を全力で応援してくれる校風に恵まれました。この環境が挑戦をいとわない今の私につながっていると実感しています。
飲食・製菓業界は、食品を扱うからこそ厳しさ・大変さを感じることもあるかもしれません。その時は「まず3か月頑張ろう」という心構えで向き合ってみてください。経験したことは必ず糧となりますし、その期間に成長して仕事が上手くいくこともあります。また、“人”や“つながり”も大切にして欲しいです。当店も最初は一人でお店をやる予定でしたが、予想以上の盛況でプレオープン時は友人の助けを借り、今ではスタッフを雇用して安定した運営が実現できました。あと、激務になりがちな業界の現状を変えたいなと思っています。当店では週休2日制を導入し、日々フレッシュな気持ちで働ける環境を整えて、充実した毎日を送っています。
today’s OYATSU...(トゥデイズ オヤツ)開業/スイーツ&カフェ学科 ※2024年4月フードクリエイト学科へ名称変更/2016年卒/「自分のケーキ屋さんを開きたい!」という夢を胸にパティシエをめざし、高2から福岡ホスピタリティ・アカデミー(旧 九州観光専門学校)のオープンキャンパスに参加。製菓体験や学校の雰囲気を感じて入学を決めた。在学中から開業して活躍する先生のパティスリーや個人店で修業を積み、卒業後は大量調理や食品衛生等を学ぶため、ウエディング・レストラン関連の大手企業に就職。東京への転勤とコロナ禍が重なったことで店舗探しをスタートし、2021年、「today’s OYATSU…」をオープン。地元で愛されるお店になっている。