担当業務は、主に競走馬の管理、調教(競走馬がレースに出走するためのトレーニング)。馬房の清掃をはじめ、馬の健康管理(食事の準備や馬体の洗浄など)、調教前後のウォーミングアップ・クールダウンなど多岐にわたり、常に馬とともにある仕事です。私が勤める大山ヒルズは、デビュー前の1歳から2歳馬の育成調教や休養馬の調教を行うトレーニング施設。馬の成長を日々、間近で感じられる喜びはもちろんですが、なによりも大きな感動を覚えるのは、育成に関わった馬がレースで活躍する姿を見ることです。生命を扱う仕事は責任重大で大変なことも多いですが、馬たちが懸命に走る姿に触れるたび私自身が励まされ、元気をもらっています。
観光牧場に行った時に馬を初めて間近で見て、その大きさや愛らしさ、賢さに惹かれ、馬に携わる仕事に興味を持ちました。裏方として馬の生活に寄り添うことで「競走馬の魅力」をもっと知りたいと思ったことも理由の一つです。岡山理科大学専門学校の志望理由は、ずばり「大好きな動物について専門的に学べること」。私が選択した「ホーストレーニングコース」は、自然豊かな蒜山の乗馬施設で1年間、実際に馬とともに生活しながら、馬に携わる仕事をしている方のもとで確かな知識を基本から身につけることができます。さらに、学生のうちに現場の雰囲気に触れられることや施設を訪れるお客様の対応について学ぶことができたことも大きな収穫です。
今後もっと高めたいと考えていることは、乗馬の技術です。私たちが管理・育成しているのは競走馬。「走る馬」をつくるには、調教を行う乗り手の技術が非常に重要です。調教の際、私自身も馬に乗らせていただくことがありますが、まだ未熟な部分がありうまく扱うことのできない馬もいます。今心がけているのは、馬の「走りたい」という気持ちと動きを邪魔しないこと。馬の背に乗っていると、どのように振舞えばいいのか馬が教えてくれます。学び、経験を積み、先輩方のように、個性ある馬たちと上手に接することができるようになりたいと思います。競走馬に携わる仕事で必要なのは広い視野と責任感。些細な変化に気づける力も身につけたいです。
大山ヒルズ(ノースヒルズグループ)勤務/動物飼育トレーニング学科(ホーストレーニングコース) 卒/2022年卒/在学中は、馬術競技において世界的に活躍中の原田喜市先生のもと馬に関する知識・技術を習得。2年次修了後に同学研究科へ進学しさらに学びを深めた清水さん。卒業後は、北海道・浦河にある、軽種馬育成調教センター(BTC)で育成調教技術者養成研修を受講し、競走馬の馴致・初期調教を含め、より実践的な技術を習得しました。「競走馬の育成に携わる」という夢のため、ひたむきに学び挑戦し続けた経験が今につながっています。※プロフィール写真は中央が清水さん。【右】大山ヒルズ 取締役ディレクター:齋藤 慎氏、【左】原田 喜市先生