ロサンゼルスのLola VFXで、コンポジターとして働いています。コンポジターとは、CGや撮影データなどの素材を合成して、色調や解像度などを調整し、最終的な仕上げをする仕事です。DCコミックオリジナルでワーナーブラザーズ配給の「ブラックアダム」や配信中の「オビ=ワン・ケノービ」など、アクション・SF・ファンタジーを中心にジャンルを問わず、これまで40作品以上に携わりました。
映像の仕事を目指すようになったきっかけは、子どもの頃にファンタジー映画の世界に夢中になったことです。色々な映画を観るうちにVFXの存在を知り、空想の世界をリアルに表現する映像を自分でもつくりたいと思うように。映像制作はもちろん、数学が得意だったのでプログラミングも勉強したいと考え両方学べるHALに入学を決めました。在学中は、授業の課題通りにつくるだけではなく、プラスアルファの工夫をするようにしていましたね。映像制作中にリファレンスになる資料を集めたり、色々な映像を観て自分だったらどうつくるのか考えることも。自分で徹底的に考えて映像をつくった経験は、今の仕事でもとても役立っています。
卒業後は日本のポストプロダクションで働いたのち、ハリウッド映画に携わりたいと考えていたので、HALの校費留学制度を利用し、サンフランシスコにあるAcademy of Art Universityに留学。まずは得意分野を伸ばそうと思いコンポジットを勉強しました。第一線のクリエイターである先生方から、最先端の技術を学べたのはすごく大きな経験になりましたね。日本で映像制作の基礎が身についていたので、言葉の壁はあるものの、スムーズにスキルを磨けたのだと思います。アメリカでの就職活動では、アニメ関係のイベントに行ってアピールするなど、とにかく後悔しないように積極的に行動したおかげで仕事を見つけられました。
学生時代からリファレンスを多く収集する習慣をつけていたので、映像の不自然な部分にすぐ気づき修正できることが、僕の強みになりました。また、CG制作をしていた経験を活かし、他のコンポジターと比べて、幅広い解決策を提示できます。今後の目標は、みんなが想像もできないような映像をたくさんの人に届けることです。新しい技術がどんどん出てきているので、しっかり学び、クライアントや観客の期待を超えたものをつくりたいですね。
Lola Visual Effects(ロサンゼルス)勤務/CG映像学科(現・CG・デザイン・アニメ4年制学科 CG映像コース)/2014年3月卒/子どもの頃からファンタジー映画が好きで、VFX(特殊視覚効果技術)に興味を持ち、映像制作を学ぶためにHALに入学。卒業後、日本のポストプロダクションに就職。HALの校費留学制度を活用しサンフランシスコにあるAcademy of Art Universityにて学ぶ。現在はロサンゼルスにあるLola VFXにてコンポジターとして従事。MARVEL STUDIO制作の「ロキ」、DC コミックオリジナルでワーナーブラザーズ配給の「ブラックアダム」やNetflixにて配信中の「ストレンジャーシングス」、「オビ=ワン・ケノービ」など40作品以上のVFXに携わった。