沖縄の風を感じる紅型作家
宮城守男さん 1996年度入学
【奈良芸進学のきっかけ】
高校卒業後は、すぐに地元の工房に弟子入りをして職人になるつもりでした。でも、高校の先生が「すぐに職人にならなくても、大学へ行って視野を広げるのも1つだよ。」とアドバイスをくださったことがきっかけで芸大進学を考えるようになりました。
以前から、奈良の仏教美術や文化などに触れたいという思いがあったので奈良芸への入学を決めました。
【在学中】
在学中は、タブローなどの作品を制作するため、よくスケッチをしていました。朝日を浴びる稲刈り後の田んぼや夕暮れの竹やぶなど、奈良らしい自然の風景を描いたり、闇夜を疾走する電車を描いたり、色々描いていましたね。また、先生方に相談しながら作品作りをしたのを覚えています。
染織コースは特に少人数なのもあり、先生方が本当に気にかけてくださって「朝、大学に来れば研究室に顔を出してコーヒーでも飲んでいっていいよ。」と言ってくださったんです。それを鵜呑みにして毎日コーヒーを飲んでいましたね(笑)
親元を離れて生活していた私にとっては本当にありがたかったです。
【卒業後】
卒業後は地元に戻り、高校時代から憧れていた城間紅型工房に入りました。工房での作業にはさまざまな工程がありますが、奈良芸で培った技術などが即戦力になり、師匠や先輩方から「ちょっと手を貸して。」と作業中によく呼ばれ、いろいろな工程に携わることができました。
また、先輩方の仕事の準備も任されるようになり、朝は誰よりも早く、夜は誰よりも遅くを心がけ、忙しくも充実した日々を送ることができ、入りの2年という早さで独立することができました。
独立してすぐは収入もままならない状況でしたが、これまで培ってきた技術と、学生時代に他コースの友人たちと刺激し合って生まれた自由な発想によって、今までになかった紅型の小物や手軽に使っていただける商品をつくり、おみやげ屋さんに卸したり、呉服の問屋さんともお付き合いが始まったりと、徐々に軌道に乗っていったように思います。
今ではありがたいことに注文に追われる日々ですが、最近では、航空会社さんやアパレル会社さんなどとの仕事も増え、活動の幅が広がっています。
【高校生へメッセージ】
本当に良いものをつくっていれば大丈夫というのが私の考えです。
時々、学生さんと話す機会があるんですが、「焦らなくても良いよ、とにかく基礎が大切だよ。」と話をさせてもらいます。
私自身も奈良芸でしっかり基礎を身につけたことで、工房で先輩方と良い関係を築くことができました。学生時代に身についた癖なのか、今も必ずスケッチをしています。例えば植物なら、種を植えて芽が出て花になって実をつけるまでの全行程をスケッチするのですが、それが作品の個性として出るんだと思います。私の紅型は、沖縄の風や匂いを感じると言われます。その個性が選ばれる理由なんだと思います。本当に良いもの、時代を超えても感動を与えられるものをつくりたいですね。
高校卒業後は、すぐに地元の工房に弟子入りをして職人になるつもりでした。でも、高校の先生が「すぐに職人にならなくても、大学へ行って視野を広げるのも1つだよ。」とアドバイスをくださったことがきっかけで芸大進学を考えるようになりました。
以前から、奈良の仏教美術や文化などに触れたいという思いがあったので奈良芸への入学を決めました。
【在学中】
在学中は、タブローなどの作品を制作するため、よくスケッチをしていました。朝日を浴びる稲刈り後の田んぼや夕暮れの竹やぶなど、奈良らしい自然の風景を描いたり、闇夜を疾走する電車を描いたり、色々描いていましたね。また、先生方に相談しながら作品作りをしたのを覚えています。
染織コースは特に少人数なのもあり、先生方が本当に気にかけてくださって「朝、大学に来れば研究室に顔を出してコーヒーでも飲んでいっていいよ。」と言ってくださったんです。それを鵜呑みにして毎日コーヒーを飲んでいましたね(笑)
親元を離れて生活していた私にとっては本当にありがたかったです。
【卒業後】
卒業後は地元に戻り、高校時代から憧れていた城間紅型工房に入りました。工房での作業にはさまざまな工程がありますが、奈良芸で培った技術などが即戦力になり、師匠や先輩方から「ちょっと手を貸して。」と作業中によく呼ばれ、いろいろな工程に携わることができました。
また、先輩方の仕事の準備も任されるようになり、朝は誰よりも早く、夜は誰よりも遅くを心がけ、忙しくも充実した日々を送ることができ、入りの2年という早さで独立することができました。
独立してすぐは収入もままならない状況でしたが、これまで培ってきた技術と、学生時代に他コースの友人たちと刺激し合って生まれた自由な発想によって、今までになかった紅型の小物や手軽に使っていただける商品をつくり、おみやげ屋さんに卸したり、呉服の問屋さんともお付き合いが始まったりと、徐々に軌道に乗っていったように思います。
今ではありがたいことに注文に追われる日々ですが、最近では、航空会社さんやアパレル会社さんなどとの仕事も増え、活動の幅が広がっています。
【高校生へメッセージ】
本当に良いものをつくっていれば大丈夫というのが私の考えです。
時々、学生さんと話す機会があるんですが、「焦らなくても良いよ、とにかく基礎が大切だよ。」と話をさせてもらいます。
私自身も奈良芸でしっかり基礎を身につけたことで、工房で先輩方と良い関係を築くことができました。学生時代に身についた癖なのか、今も必ずスケッチをしています。例えば植物なら、種を植えて芽が出て花になって実をつけるまでの全行程をスケッチするのですが、それが作品の個性として出るんだと思います。私の紅型は、沖縄の風や匂いを感じると言われます。その個性が選ばれる理由なんだと思います。本当に良いもの、時代を超えても感動を与えられるものをつくりたいですね。