授業では、1年生向けの経済学や2年生向けの統計学の基礎を教えています。また、農業経済の分野で、開発経済学を中心に研究を行っており、主に発展途上国などの農業問題を取り扱っています。たとえばインドネシアの農業事情を見ると、日本と同様の問題に直面していても、必ずしも解決方法が同じなわけではありません。日本でできても途上国ではできないことや、文化的に難しいこともあるので、同じ問題もその国にとってのベストなやり方、その地域に合った解決方法を探っていくことが、難しさであり奥深さでもあります。他国の成功例をそのまま持っていくのではなく、その地域の価値観などに合った方法にアレンジしていく上で、まさにデータ分析や統計学がとても重要。一般的な経済学だけでは捉えられない特殊性が農業経済の面白さですね。
ゼミでは実際の農業問題についてのデータを使って、コンピューター分析などを実践的に行う。「経済学や統計学は、将来どんなジャンルの職種に就いても役立つはず。今後も経済成長していく社会で、養っていくべき大事な知識です」と毛利先生。また、授業については、経済学に苦手意識を持っている学生に興味を持ってもらえるよう、食糧問題や貧困問題などできるだけ身近なことに結び付けて教えている。1年生の経済の授業で興味を持ち、2年生の専門分野の選択で経済コースを選んだ学生もいて嬉しかったそう。
知識だけを得るならネットでも十分学べる時代で、大学という環境で皆で議論しながら学べることはとても貴重です。いろんな地域から来ている学生たちの考え方や価値観の違いを感じられるのも酪農学園大学の魅力です。
専門科目:循環農学類、統計学研究室/十勝出身。経済学が好きで、貧困問題などに興味を持ちこの分野を専攻。農業経済学、開発経済学を中心に研究を続け、酪農学園大学へは2020年度に講師として着任。研究室では、集まった学生たちの会話から興味があることをキャッチし、授業の際の題材に繋げるなどとても教育熱心。リラックスタイムは犬の散歩をしているとき!