行政栄養士として、生まれ育った地元の役場の保健介護課で、地域の方々の栄養指導やこども園での子どもたちへの食育など、地域の健康増進に関わるさまざまな業務を行っています。健診の結果をもとにした栄養指導では、健康に大きく繋がる食事について、栄養やその効果のことなど、身体のメカニズムを交えてご説明することで、日々の食生活に活かしてもらえるよう意識しています。また、こども園での食育の授業では、実際に子どもたちに調理体験を提供し、栄養のことを楽しく学んでもらっています。保護者の方に、調理体験を通して、子どもがお手伝いをするようになったと聞いたときはとても嬉しかったです。
農家で生まれ育ったこともあり、子ども時代から食の大切さについて自然と身に付く環境でした。「食」への大きな興味から、人間の健康に欠かせない野菜とその機能性について研究したいと考え、研究をしながら管理栄養士の国家資格もめざせるこの大学への進学を決めました。得た知識を活かして、愛する地元で地域の方々の健康づくりに貢献できる今はとても充実しています。今後の目標は、生産者さんと連携して、地元の健康づくりのためのシステムを作り上げていくこと。特に私の町は野菜摂取率が低いことが問題なので、健康政策の企画のほか、さまざまなアイデアを実施するなどして、野菜摂取率を地域ぐるみで上げていくことが理想です。
この仕事をしていて強く感じるのは、人との関わりの大切さです。さまざまな情報を得るためには、栄養士同士のネットワークがとても大事。だからこそ、大学時代の繋がりにとても助けられています。特にゼミでお世話になった「給食栄養管理研究室」の小林先生には、就職後に地域の方々の食生活の調査を実施する際に、データ分析などでご協力いただきとても助かりました。また、この大学は1・2年次の基盤教育として、牛の搾乳をはじめとした鶏や豚などの畜産の作業を実際に体験できます。現在の仕事で畜産業の方々と関わる際や、食育の授業で子どもたちに伝えるときなど、酪農大ならではの経験が大きく役立っていると感じます。
むかわ町役場 保健介護課 健康グループ 勤務/農食環境学群 食と健康学類 管理栄養士コース 卒/2020年 卒/酪農大の在学中には、日本うま味調味料協会が主催する「うま味調味料活用郷土料理コンテスト」(2018年度)にて、郷土料理の石狩鍋を災害食に応用する試みで考案したレシピが郷土愛賞を受賞するなど大活躍。趣味は爆音でロックを聴くこと。ご夫婦で遠征でライブに行くこともあるという熱狂ぶり。また、自らの健康づくりの一環として、歯の健康を意識して口腔ケアにも日頃から力を入れており、自慢の歯並びを維持している。