金星探査機「あかつき」に搭載したカメラ開発責任者としてJAXAのプロジェクトに参加しています。それ以前は、火星探査機「のぞみ」など、国内外の人工衛星や惑星探査機、ロケットなど、20プロジェクトほどの開発に関わっています。人工衛星や探査機は、地球からの指令を忠実に実行してくれる、けなげな子どものような存在。「あかつき」も、構想から開発、製造までのすべてに携わったので思い入れが強いです。10年ほどの開発期間を経て2015年に金星に到達したときは、言い尽くせないほどの達成感がありました。宇宙開発には、驚くほどの人が携わり、プログラム構築だけでも100人以上の人たちが関わっています。皆さんがゲームにはまるように、私はいまも寝る間を惜しんで宇宙にはまり、地球と惑星の現状と将来を模索しています。
授業では気象衛星「ひまわり」の最新データを使って、画像や動画を作成したり、衛星画像を駆使して自然災害を検証したりします。宇宙から届く膨大な情報をどう読み解き、どう生活に活かすかが重要。渡部先生のゼミではさらに奥深く宇宙についての考察を深めます。宇宙関連企業へのインターンシップなどを通して、希望や得意分野に見合った企業への就職もサポートし、毎年、憧れの宇宙業界へ学生を送り出しています。「10年、20年かかる壮大な宇宙プロジェクトの最前線で活躍できる人材を育て、送り出すことが私の喜びです」と渡部先生。
天気予報やカーナビ、スマホなど、私たちは常に宇宙と繋がっていて、だからこそ宇宙に関わる仕事はたくさんあります。興味のある分野で仕事をしたときに、その仕事はどこかで宇宙と繋がっているはずです。
専門分野:宇宙科学、宇宙工学、宇宙情報学
北海道幕別出身。アポロ計画で人類史上初の月面着陸を見て宇宙に興味を持つ。東北大学在学中に人工衛星打ち上げのスタッフに加わり、宇宙技術開発に入る。国内外の宇宙科学関連研究所を経験。火星探査機「のぞみ」や金星探査機「あかつき」の搭載機器の設計や開発に携わり、人工衛星や惑星探査機、ロケットなど、これまでに20機以上の開発を手掛け、国内外の多数のプロジェクトに参加。