現在は17人のチーム体制で衛星の管制業務を担当しています。私たちが担当するのは温室効果ガスの観測用の衛星で、二酸化炭素やメタンガスなどの濃度分布を測定するものです。24時間365日、休むことなく送られてくるデータを世界中の研究者に提供するという大切な仕事。もしも衛星がトラブルに見舞われた際は迅速・的確な措置を施さなければならず、いざというときに備えた勉強は怠れません。まだまだわからないことだらけで先輩を頼ることも多いですが、世界的に注目を集めている地球温暖化、その対策の最前線にいるという責任感と充実感を日々感じています。夜勤などもあり、厳しい仕事ではありますがやりがいは大きいです。
子どもの頃から、とにかく宇宙が好きでしたね。大好きだった変身ヒーローの生まれた星が実際にある星だと知ったとき、「もっともっと宇宙について知りたい」と思うようになりました。小学生の頃の夢は「宇宙飛行士になって新しい星を見つけること」だったほどです。その後、小惑星探査機「はやぶさ」が地球から3億2000万kmも離れた小惑星に到着したニュースを見て、より本格的に「宇宙に関わる仕事がしたい」と思うようになりました。関東出身の私が北海道情報大学を選んだのは、宇宙について産業や研究、教育など幅広い側面からのアプローチができ、宇宙情報の専門的で実践的な知識を学べると思ったからです。
大学ではパソコンの使い方から仕組み、プログラミングまでを幅広く学ぶことができました。3年生からは、宇宙開発の歴史や人工衛星についてなど、より本格的に宇宙について学ぶようになりました。ゼミでは「今までにない衛星を作ろう!」を合言葉に、仲間5人で衛星設計コンテストに参加。授業で習った知識や教授からのアドバイスを参考に「夜空に絵を描ける衛星」を創作しました。コンテスト自体は予選落ちという残念な結果に終わりましたが、参加準備を通して、ひとつのプロジェクトを進める難しさ、人と人とのつながりの大切さ、さらには人工衛星についてのより深く専門的な知識を学ぶことができました。
宇宙技術開発株式会社 第二事業部衛星管制技術部衛星管制グループ 勤務/経営情報学部 システム情報学科 宇宙情報専攻/2019年3月卒/「宇宙が大好き」「宇宙に関わる仕事がしたい」という幼少期からの想いをついに実現させた十川さん。夢を叶えるために大切なことは、「なぜ好きか」「なぜやりたいのか」を言語化することだといいます。「自分の想いを人に話すことで、自分自身の気持ちがしっかりと見えてくるものです」。日々、充実した時間を過ごす十川さんの現在の趣味は温泉巡り。「夜勤明けの休みを利用しています。平日なので道も旅館も空いていて、とてものんびりできるんです」。