「言語聴覚士」は、言語・コミュニケーションや食べたり飲んだりする行為に支障をきたしている方に対してリハビリテーションを行う職種です。病院や子どもの発達支援を行う場で働く場合が多く、特に子どものことばの発達の遅れや障害に対しての支援では、子どもの生活に関わる親御さんを含めた支援環境を適切なものにしていく必要があります。決して子ども中心ではなく、家族全体が無理なくサポートできる環境づくりが大切。保育の現場や行政との連携も重要です。たとえば、市町村で行われる乳幼児健康診査に言語聴覚士が参加することで、ことばの発達の遅れや親御さんの子育ての不安を早期に発見し、スムーズに支援を開始できる体制を整えることで、ことばの発達の促進だけではなく、虐待予防を含めた子育て全般の支援の一役を担うことができます。
解剖学をはじめとする、身体についての医学的な知識から、心理学、音響学、言語学などの幅広い知識も身につける必要がある「言語聴覚士」。授業では、講師の現場での実体験を踏まえた話や、今も病院や施設などで行っている臨床の様子を動画にして教材にするなど、現場のリアルな空気を感じながら理解を深めていきます。また、学生たちがグループで行うPBL演習では、提示された症例について問題解決まで導くことで、学生たちが自ら考えてプログラムを組み、解決に向かう過程でさまざまな知識を得ることができます。
医療、福祉、教育に関心のある方は、この分野を学ぶことでより専門的なスキルを身につけられると思います。この大学は「言語聴覚士」の養成校として歴史があり、教育的なノウハウが確立しているのも魅力です。
専門:リハビリテーション学
大学在学中に「言語聴覚士」の仕事を知って魅力を感じ、大学課程終了後に北海道医療大学の前身である養成校で資格取得を目指す。卒業後、中標津町で地域の子育て支援の施設などと連携しながら臨床の現場で活躍。当時、根室管内に言語療法士(現在の言語聴覚士)がいなかったこともあり、地元の新聞にも載ったそう。現在は大学勤務となり、仕事と子育てで大忙しだが、のんびりと釣りをするのが夢。