脳血管疾患や整形外科疾患の回復期の段階にある入院患者さんが、病気やケガをする前の生活に戻れるよう、日常生活動作の支援を行うのが作業療法士の仕事です。ほかにも、先天疾患などによる肢体不自由をもつ小児患者さんへ手先を使った訓練や、言語聴覚士と共同でコミュニケーションをとるなど、身体や精神の発達を促すリハビリも行います。患者さんが今、どんな気持ちでリハビリと向き合っているのかをつぶさに観察しながらプログラムを考えていき、今まで出来なかったことが出来るようになった姿を見たり、もっと出来るようになりたいという前向きさに触れると、患者さんのこれからの生活を一緒に考えていると実感でき、やりがいを感じます。
子どもの頃から医療ドラマをよく見ていて、病院で働くこと、人のために働く医療従事者になりたいと思うようになりました。そこで医療関係の仕事について調べたとき、医師や看護師のほか、介護職、心理職、ソーシャルワーカーなど、さまざまな職業があることを知ったのです。その中にリハビリ職があり、なかでも作業療法士にとても魅力を感じました。作業療法は住み慣れた地域に戻り、生活するためのリハビリ。もし、自分が病気やケガをして自分の身の周りのことが出来なくなったら、何としてでも日常生活を取り戻したいと考えるだろうと思いました。そのような状況に置かれた方々のお手伝いをしたいと思ったのが、作業療法士を目指した理由です。
北海道医療大学の特長は、全学部全学科が合同でグループワークを行う「多職種連携教育」です。ここで、他職種がどのような勉強をしていて、何が強みで、どのような視点で患者さんを見ているのかを知ることができました。これらを知ることで、入院時や退院後の患者さんの不安や悩みに対して、自分だけでは解決できないものを、それを得意とする専門職へつなげることができます。このことを学生のうちに学ぶことが出来たのは、本当に良かったと思っていますし、実際に働いて、改めてその大切さを実感しています。ほかにも「地域作業療法学」という授業で、作業療法士は病院以外にも活躍の場があることを教えていただきました。
社会医療法人 北斗 十勝リハビリテーションセンター リハビリテーション部勤務/リハビリテーション科学部 作業療法学科/2017年3月卒/中田さんは、北海道医療大学にリハビリテーション科学部が設置された2013年に入学した1期生。新学部ならではの新しい取り組みが出来るのではないかという期待のもと、入学を決めた。小学生のときから地元のYOSAKOIチームに参加していたこともあり、入学後、同大学のYOSAKOIチーム「THE☆北海道医療大学」に3年間所属。ファイナル進出の経験者でもある。振り付けの指導も担当しており、ここでの経験で、現在の仕事にも通じる「わかりやすく相手に伝えるにはどうしたらいいか」を考えるきっかけになったそう。