機器に組み込まれたコンピュータシステムである組込みシステム、ネットワークで接続された複数のコンピュータが協調して処理を行う分散システム、ソフトウェアを効率よく開発するためのソフトウェア工学を研究しています。例えば自動車には多くのコンピュータが搭載され、エンジンやモータ、ブレーキやハンドルなどを制御しています。各コンピュータはネットワークで接続され分散システムを構成し、リアルタイムで制御されていますが、今後は自動車同士が無線で通信し自動車と地上のシステムが通信することで、自動運転などより高度な制御や新サービスの提供が期待されています。こうしたシステムは実社会(フィジカルな世界)のセンシングや制御を行う処理とサイバー空間での計算処理を融合しているため、サイバーフィジカルシステムと呼ばれています。
横山先生の計算機ソフトウェア研究室では分散型組込みシステム向けのリアルタイムOSや分散処理ミドルウェア、ソフトウェア開発環境などを研究しています。自主性を重視し、学生自ら問題を見つめ計画を立案し、研究を進めているのが特徴です。「研究においては教員と学生は“同僚”です。教員の方が少しだけ知識と経験がありますが、アイデアを出し合い、自由にディスカッションしています。学生は技術を調査し分析する力、研究計画を立案する力、ソフトウェアを設計し実装するためのスキル、そしてプレゼンテーション力を養っています」
AIがいくら進化しても人間には及びません。生活にどう生かすか考えるのは人間です。コンピュータシステムを使うだけでなく自分でつくり出す側になってください。そこには手作りでものを生み出す面白さがあります。
東北大学工学部通信工学科卒。東北大学大学院工学研究科電気及通信工学専攻修士課程修了。博士(情報科学)。(株)日立製作所の日立研究所(分散システム、ソフトウェア工学の研究)や自動車機器グループ(自動車向け基本ソフトウェア開発)などを経て、2004年武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部コンピュータメディア工学科に入職。以来組込みシステム、分散システム、ソフトウェア工学などの研究に従事し、現在に至る。