皆さんは、上空の成層圏にはオゾン層があることをご存知だと思います。太陽からの短波長の紫外線を防ぐオゾン層は、生物界に必須の存在です。しかし、地表近くでは、一定の濃度を超えたオゾンは毒になってしまいます。では、目に見えないオゾンに気付くためにはどんな方法があるでしょうか。意外な方法の一つが植物の観察です。最近、低濃度でも葉に白い斑点ができる、つまり細胞死という悪影響が見てわかるアサガオの存在がわかってきました。これを用いてオゾンによる細胞死発生のメカニズムを探ることで、森林や農作物の影響対策にまでつなげることが可能です。今後の研究では、オゾンというストレスに対する植物の応答を評価解析しながら、大学近辺でモニタリングも実施する予定です。成果のPR活動も学生と共に取り組んでいきたいと考えています。
誰もが目にしたことのある植物・アサガオが、オゾン濃度を測る指標として役立っています
青野先生は「植物生理学」の授業を担当予定。植物の構造や光合成のしくみ、分化と成長に関わる因子、外部環境への応答などについて、生態系保全との関連やバイオテクノロジーへの応用も考えながら学びます。実際に大学構内でアサガオを育て、葉っぱに被害が出る様子を観察し、大気環境と植物について考察。目で見て、手を動かして知ることで、理論と実践の両方を学んでいきます。SDGsが重視されている現代、どんな事業分野の企業に就職し、どんな職業に就いても、環境への配慮ができる人材を育成します。
その場から動けない植物が発する小さな声を聴くことが、環境を考える第一歩に
地球環境と共生するための行動は、人類の存続に欠かせません。これを目的とするフィールドワークや地球にやさしくする方法、植物の周囲の環境に対する応答などをぜひ一緒に学び、考え、行動していきましょう!
東京都生まれ。1987年に筑波大学生物学類を卒業後、国立公害研究所(現・国立環境研究所)に入所。東京工業大学で博士(理学)取得。大気汚染ガスであるオゾン等の環境要因が植物に被害を及ぼす際の障害や防御のしくみを遺伝子レベルで研究しており、アサガオを用いたオゾン影響のモニタリングにも取り組む。2025年4月、環境共生学部環境共生学科に就任予定。
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