• スタディサプリ 進路(大学・専門学校)
  • 大学・短大を探す
  • 私立大学
  • 東京
  • 日本大学
  • 他の先生・教授一覧
  • 特殊な環境を提供するナノ空間を設計し、物質の未知の性質を解明する

私立大学/東京・福島・千葉・神奈川・静岡

ニホンダイガク

特殊な環境を提供するナノ空間を設計し、物質の未知の性質を解明する

理工学部 物質応用化学科 教授 梅垣 哲士
 物質は置かれた環境でその性質が劇的に変わることがあります。例えば、通常水は0℃付近で凝固しますが、砂や岩石の隙間のような小さな空間では、-30℃程度まで液体の状態で存在することが報告されています。また、限られた数の原子や分子しか入らないナノサイズの空間では、この温度がさらに低温化し、場合によっては-100℃程度まで液体の状態で存在するという報告例もあります。
 私たちの研究室では、主に砂などを構成する「酸化ケイ素」をベースとする微細な粒子を中空状に集積してできるナノサイズの隙間を精密に形状制御することで、その隙間に内包される物質の機能を調べています。これまでの研究で、例えば揮発性のアンモニアがこの隙間に高温まで安定に存在することを明らかにしています。この特異的な特徴はアンモニア誘導化合物から比較的簡単に水素を取り出すことができる機能と関連していることも明らかにしています。こういった検討を通じて、次世代のエネルギー物質である「水素」を取り出すプロセスに加え、温室効果ガス(二酸化炭素、亜酸化窒素など)のような未利用の物質を有効活用するプロセスの開発も目指しています。

 私たち研究室の持つナノサイズの空間を精密に設計・制御する技術によって、物質の未知の機能を発掘できると考えています。この技術を活用することで、水素を扱いやすい形に変換したり、温室効果ガスなどを有効活用するなど、エネルギーや環境の分野で貢献できるプロセスの実現を目指していきたいと思っています。
日本大学(私立大学/東京・福島・千葉・神奈川・静岡)
RECRUIT