人事、組織行動、作業に関連した職場ストレスとメンタルヘルスに関する研究を行っています。現在は職場での適用を視野に入れてセルフ・ケアとして活用可能な「思考場療法(R)」(以下TFT)の効果検証に力を注いでいます。TFTとは鍼のツボをトントンとタッピングすることでメンタルヘルスの問題を改善していく心理療法のこと。セルフ・ケアとして行うことができるので、メンタルヘルス不調の未然防止、ストレス・マネジメント、復職支援などに活用可能です。現在はまだ学術的に十分な確証が得られていないため、施術前後で効果が認められるか、個人の実感だけではなく、生理指標(唾液アミラーゼ、心拍変動、脳表面血流量の変化など)の面からも裏付けられるよう検証を行っているところです。
與久田先生のゼミでは学生一人ひとりがやりたいことを見つけ、各自が追究していきます。例えば、2021年度は「クレームを引き起こす要因の検討」を研究している学生も。調べていくとクレームを言う側の研究は散見されますが、クレームを受ける側が引き起こす要因の研究がないことが分かってきました。このように各自が興味・関心のある文献を講読し、そのテーマについてディスカッションを行い、基礎知識、方法論、解析方法、文献を批判的に読む力などを養います。先生は学生の伴走者としてサポートし、一緒に研究に取り組んでいます。
人生100年時代と言われる今、学校卒業後の生活は学校生活よりも4倍もの長さがあります。仕事や家庭、人生をより良いものへしていくために「働く人」を切り口に社会で活きる心理学をぜひ本学で学んでみませんか?
専門:産業、組織心理学 略歴:琉球大学法文学部社会学科 教育・心理学専攻卒業。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程 社会心理学専攻 単位修得退学。児童相談所心理判定員、大学・短期大学・大学院非常勤講師、大阪夕陽丘学園短期大学 助教、准教授、教授などを経て2021年本学着任。公認心理師、臨床心理士、TFT上級セラピストの資格をもち、現在は思考場療法(R)の効果検証に力を注いでいる。