日本語教員としての現場では、学生一人ひとりに向き合い、学生たちが何を考えていて、何を伝えようとしているのか、を汲み取ろうと心がけています。異文化でのコミュニケーションにおいては、それが第一歩になるからと考えているからです。日本語を使ったコミュニケーションを教える身として、その姿勢を学生にも示すことができれば良いな、と日々思っています。
学生時代に参加した、日本語教育養成課程での海外実習がキッカケで、日本語教師を志しました。この海外実習では、台湾の大学に行き、そこで初めて日本語を学ぶ人たちと向き合い、日本語を学びたい!という彼らのエネルギーを感じて、それに応えたいと強く思うようになりました。それから留学生チューター、地域のボランティア教室、研修等を経て、大学を卒業後、日本語教師としてタイの高校や大学計5年間教えた後、大学院へ進学しました。
「日本文学」の授業では、その時代、環境、生活様式と、今とは何もかもが違う人が書いた文章を読み、何を伝えようとしているのか考えたり、物語の状況や人物の思考、動き、感情を想像する習慣がつきます。インターネットで検索すれば、ある程度の答えが出てくる時代になりましたが、自分の心と頭を使って他者や文脈を理解しようと考えることはとても大切なことだと思っています。この分野では、人と人とのコミュニケーションの基礎や想像・思考力を学ぶことができ、自身が目指す仕事に必ず繋がるので、勉学の時間を大切にし、楽しんでください。
ウボンラーチャターニー大学(タイ)教養学部 日本語コミュニケーション学科教員/文学部 日本語・日本文学科 卒/2011年 卒