新薬開発を通じ、既存治療では救えなかった多くの患者さんを救う/研究職の方々が発見した新薬の“タネ”が医薬品としての承認を得られるよう、臨床試験を計画・実施することが私たち臨床開発職の仕事です。新薬開発を行う上では、何らかの意思決定をする際に必ずしも正解の選択肢が存在するとは限りません。しかし、チームメンバーと意見を出し合い、その状況に応じた最適解を見つけることで、薬のポテンシャルを最大限に発揮できるよう一歩一歩前進していきます。このように、チームで働くということや臨床開発職の力量が新薬の将来を大きく左右することがやりがいの一つであると感じています。
治療の選択肢を増やし患者さんに貢献したい/5年次の実務実習(病院実習)中、ある患者さんから帯状疱疹によるしびれと痛みがひどいとの訴えがあり、医師や薬剤師で協議を重ねた結果、ある薬剤を使って治療していくことになりました。しかし、既存の薬の中から最適と考えられた薬剤を使ってもなお、しびれと痛みは良くならず、悪化していき、寝たきりになってしまったのを目の当たりにしました。この経験から、患者さん一人ひとりに現状最適な治療を模索するよりも、治療の選択肢そのものを増やすことで、既存治療が奏功せず苦しんでいる患者さんに貢献したいと考えるようになりました。
課題解決や目標達成に向けて考え抜くマインド/大学では、研究活動や日々の勉強を通じて、なぜこうなるのか、どうしたら良好な結果が出るのかと、目標達成や課題解決に向けて必要なものを、頭を使って考えることを身に付けられたと感じています。現在の仕事では、あらゆるステークホルダーに対して説明・交渉する機会が多く、相手の理解・納得を得る説明が必要です。その際は、大学で身につけた課題解決や目標達成に向けて考え抜くマインドが非常に役立っています。
【化学の授業が好き】
高校時代に学んだ化学にて、薬の領域に興味を持ったことが薬学部を選んだきっかけです。また、私自身皮膚トラブルで悩んだ経験があり、その要因や解決策を知りたいという想いから、肌の研究を行っている東京薬科大学の生化学教室への配属を希望しました。
【社会で活きるコミュニケーション能力】
現在の仕事では、医師、薬剤師、CRC、開発業務受託機関担当者など、あらゆるステークホルダーと協議する機会が多々あります。その際は、話す相手によって強調ポイントや伝える内容を変えたりと、相手が納得できるよう聞き手ベースの説明を心掛けています。そのためのコミュニケーション能力も大学の研究生活などで培いました。
協和キリン株式会社 研究開発本部 開発ユニット 臨床開発センター 臨床開発3グループ 勤務/薬学部 卒/2020年卒/※掲載内容は取材当時のものです。