子どもたちがかわいくて毎日が楽しいです。悩むこともありますが、そんな時には筑女時代に先生方から聞いた現場での体験談を参考にしています。特に印象的なのは、筑女の心理学の授業で学んだ「その人らしさが見えた時に信頼関係が深まる」ということを実感したできごと。運動会の練習をしていた5・6月は担任になってまだ日が浅く、「もう少し子どもたちと仲良くなりたい」と思っていたので、楽しんでいる私の姿を子どもたちに見てもらいたいと、教員代表として壇上でダンスを踊ったんです。すると体育以外の授業にも積極的に臨んでくれるように。こうして信頼関係が築けるのもやりがいですね。
筑女は本当に温かい雰囲気で、特にゼミは家族みたいでした。コロナ禍で行われる初めての教員採用試験に不安もありましたが、ゼミの石原先生は私たちを全力で応援してくれて、何でも相談できました。忙しい中でも書類の添削を朝方までしてくださったり、朝早くのメールにもすぐ返信をくれたりして「ここまでしてくれるんだ」と感動したのを覚えています。寄り添い、支えてくださるからこそ、私も「先生のために頑張ろう」と思えました。この経験は今も活かされています。また一人ひとりをよく見てくれて、私の内気でシャイな性格も「それはストロングポイントだよ」と認めてくれたことで、自信になりました。
教員免許を取得できる大学はたくさんありますが、教員採用試験に現役で合格することは簡単ではありません。大学選びの段階で、「試験に向けてどんなサポートがあるのか」「それが自分に合っているのか」を見極めることが、合格への近道になると思います。筑女では、職員の方々も学生のために全力を尽くしてくれる雰囲気があって、「学生を合格させたい」という思いが伝わってきました。例えば、3年次に教員志望者を集めて行う「夏休み合宿」があるのですが、先生方だけではなく実習支援センターなど職員の方も参加してくださり、参加者がチームになった感覚がありました。その後の模擬授業や面接などの支援も充実していましたよ。
私が目指しているのは、「子どもの立場に立って物事を考えられる先生」です。私自身、担任の先生が自分たちに寄り添ってくれるクラスの時は、すごく楽しかったのを覚えているんです。生徒一人ひとりに個性がありますから、苦手科目もあると思います。それでも授業の中で「楽しかった」と思えるように日々工夫をしています。例えば、先生が率先して生徒の「いいところ探し」をすること。いいところ、すごいところを見つけてクラスみんなで褒める機会を作ることで、子どもたち同士でその子の個性を認めることができるんです。それが自信になって、授業が楽しくなっていく。筑女で先生にしてもらったことを子どもたちにもしてあげたいです。
福岡市立三筑小学校/人間科学科 初等教育・保育専攻 初等教育コース/2021年卒/福岡中央高等学校出身/卒業する時、ゼミの石原先生にかけて頂いた「チャレンジし続けろ」という言葉を今も大切にしているという山本さん。先生3年目ながら、運動会や音楽会の運営に積極的に参加し、自ら楽しむ姿を子どもたちに見てもらうなど、筑女で学んだ心理学の知識を活かしながら楽しい学級づくりを心掛けてきた。「筑女の先生方が勉強が苦手な私の回答も否定せずに認めてくれたことに感謝していて、私も子どもたちの個性を認めていいところを伸ばしてあげたい」と笑顔で語ってくれた。