子ども主導の活動で行う「プロジェクト保育」について研究しています。子どもたち自身が協同的に計画を立てて探究活動を行う、と聞くと難しそうですが、現場でそうとは思わず行われていることも多いです。子どもたちは遊びを通じて様々なことを学びます。先生の指示に従うだけでなく、自分からアイデアを出し、友だちと一緒に実行する。主体的に取り組む楽しさや、遊びに没頭しおもしろいと感じる経験が成長へとつながります。先生に認めてもらえるうれしさも自己肯定感につながる重要なポイント。プロジェクト保育は4歳5歳児を対象に進めることが多いのですが、私は1歳2歳児から、「みたて」や「ごっこ」遊びを通じて、みんなで遊ぶ楽しさや自分の思いが受け入れられる安心感を得る経験をするべきだと考え、保育の現場を視察し事例を集めています。
「遊びのおもしろさや価値がわからない人間が、子どもの遊びをおもしろいものにできるわけがない!」と考える先生。ゼミでは、遊びとは何か…と考えるだけでなく、実際に遊んでみます。学生どうしでアイデアを出しあい、計画を立て、みんなで実行する。プロジェクト保育で子どもたちが取り組む流れを実体験し、子ども目線で楽しむと同時に、保育者目線で振り返ることで、保育者としての大切なポイントを自覚し、子どもたちをサポートするための動き方を考えます。両方の感覚を磨きながら、将来、保育の現場で活かせる能力を磨きます。
子どもに主体性を求めるなら、先生はもっと主体的であるべき。「自分はこう思う」という意見やアイデアを大切にすれば、いろんなことがもっとおもしろくなる!おもしろさを受信するアンテナは常に高く掲げましょう。
神戸女学院大学家政学部児童学科卒業。奈良女子大学大学院人間文化研究科比較文化学コース(教育学)博士後期課程取得満期退学。英国ケンブリッジ大学大学院教育学研究方法論コース・修士課程(Mphil)修了。奈良女子大学助手、大谷大学短期大学部幼児教育保育科を経て、現職。
担当科目:保育原理/保育・教職実践演習(幼)/幼児教育演習/実践体験活動演習(幼)など