皆さんにとって、りんごは見慣れた果物ですか? 思い浮かぶ色は、何色でしょうか?
私の授業では、りんごを教材にデザインの考え方や世界の見方を学ぶ「APPLE」というプログラムを、学生たちに実践してもらっています。単なる赤や緑に見えるりんごも、よく観察すると無数の色を発見できます。このプログラムの基本にあるのは、ソクラテスの「無知の知」です。「知らない」を自覚することから、さまざまな気づきが生まれます。
授業ではまず、りんごの色・断面・形などの要素を分解して観察し、自分がいかにりんごを「知らないか」に気づいてもらいます。その気づきをベースに、点描・線描・オノマトペ・オブジェ・パラパラ漫画など色んな表現に挑戦。りんごから見つけたワクワク・ドキドキを再構築して、新たなアイデアを形にする力を養います。
APPLEの常設展示室&教室「りんごデザイン研究所」。床面には2800色以上の「りんご色見本」が並んでいます
三木先生が展開するAPPLEは「遊ぶように学ぶ」がモットーです。何かを発見するには「楽しい」が大切だからだと三木先生は語ります。
「単に教えられている時って、つまらないじゃないですか。でも遊んでいる時って、夢中になって興味のあるものを追いかけて探しますよね。それが『気づきに気づく』には不可欠なんです」
また、授業内容は一人ひとり記録され、自分だけの「りんご教科書」が出来上がります。デザインを自分ごととして捉えられるから、楽しいし、やる気も沸き上がる。そんな工夫が三木先生の授業には沢山盛り込まれています。
考え方の考え方・作り方の作り方・伝え方の伝え方を学ぶ
「大学」では専門分野について「大」きく「学」んでいきます。自ら「問」を探し、4年の歳月をかけて将来どのように「生」きるかについて考えることが大切です。やる気・その気・本気でぜひ飛び込んでみてください。
1955年神戸生まれ。1982年三木健デザイン事務所設立。大阪芸術大学教授。「気づきに気づく」をテーマに、話すようにデザインを進める「話すデザイン」とモノやコトの根源を探る「聞くデザイン」による、物語性のあるデザインが特徴。学びをデザインするプロジェクトAPPLEを展開し、英・中・日・韓で書籍APPLEが上梓され、国内外でAPPLE+展を巡回。それら一連の教育プロジェクトを背景にもつポスターで第18回亀倉雄策賞を受賞。
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