CM、PV、ゲームなど、CGを使ったさまざまな映像のディレクションをしています。クライアントの目的からコンセプトを組み立て、イメージを考えていきます。また、そのイメージを作るのに必要なスタッフを揃えたり、プロセスを組み立てるのも私の仕事で、社内・外の人材を集めたチームを作り、1つの映像作品を作り上げます。映像の根幹を考える仕事なので、新たな表現を考え、試す機会がとても豊富です。世の中の「少し先」を映像を通して生み出せる。それがこの仕事の魅力のひとつです。また、かかわった人たちが、プロジェクトをきっかけにチャンスを掴んだり、大きく成長できたタイミングに立ち会えた時は、大きなやりがいを感じますね。
私の仕事は、クライアントの要望をただ映像にするのではなく、もっと形のない状態からスタートします。「テーマやコンセプトは?」「どんな表現がいいか?」などを手探りで見つけ、映像にしていきます。そのためには「方法」がとても重要で、その大切さを大阪芸大で教えて頂きました。表現したいことがあっても、具体化するにはさまざまな方法とプロセスを考える必要があります。「撮影場所は」「いつ誰がどれだけ集まって」「どんな角度と撮影方法で」など、多岐にわたる方法をひとつ一つ作らなければ表現は現実のものになりません。恩師から頂いた「松本、気持ちと概念だけじゃ何もできないぞ」という言葉は、今の仕事の原点になっています。
さまざまな物事は、時代と共に大きく変化します。大学で学んだことの根本はずっと役立ちますが、身につけた技術や知識だけで一生を過ごせるかというと、私はそうは思いません。大学生活で重要なのは、「学び方を学ぶこと」です。それを身につけられると、新しい技術・知識をどんどん取り入れていくことができます。「面白い!」と思えるものを見つけ、情熱をもって取り組むことで、学び方は自然と身につきます。大阪芸大は、さまざまな「面白い」に出会うことができる大学です。大阪というコアな土地に、多くの芸術系の学科が集うキャンパス。私自身、あの4年間を大阪芸大で過ごし、面白い人々やアートに出会えてよかったと、強く思っています。
x10studio 代表/映像学科/1994年卒/和歌山県出身。大阪芸大卒業後はCM制作会社に就職し、ディレクターとしてさまざまなCMを担当。CGが映像にも取り入れられだしたころ、とあるゲームのCG映像に出会う。「これは面白い!」と自分でモデリングをしてみたところ、当時担当していたCMの映像に採用。本格的にCG制作環境を導入しスタジオを立ち上げ、次第にスタッフが集まり、現在の仕事に繋がった。