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早稲田大学、「先端科学技術と法コース」2022年度から開設
2021/9/2
早稲田大学は、新世代リーダーの育成を目指して、2022年4月より法学部生全学年を対象とした「先端科学技術と法コース」を新たに開設する。
新設する「先端科学技術と法コース」の概要
科学技術の発展に伴う社会の変化のなかで、いま、法が果たすべき役割が改めて問われている。科学技術が活用される場面が多様化するのに伴って、それらを適切に規律するために、分野横断的な法の展開が求められてきた。そればかりでなく、「アーキテクチャが法に代わる」との言説にみられるように、法のあり方それ自体についても、理論的検討の必要が意識されつつある。
この様な変化を背景に、同学部では「先端科学技術と法」というテーマを掲げて、こうした状況に正面から取り組む教育・研究の充実を新たに目指す。
この度2022年度に新設を決定した「先端科学技術と法コース」では、先進的な科学技術に関する理解を深めるだけでなく、科学技術の発展が人間や環境に与える影響を踏まえて、科学技術に関わる多様な法を体系的に学び、人と自然界の共生のあり方を倫理的な視点から考察する。同学部は、法的な物の見方によって、公平で均衡のとれた判断ができる人物を育てる学部であるべきという考えから、新設コースでは、先端科学技術が提起する現代の課題に取り組み、社会を導くことができるリーダーを育成することを目指す。
また本コースは、法学部生全学年が対象の特定履修プログラムであり、基礎・発展・応用と段階的に学びを深めていく科目群を設置。それらから一定数の単位(16単位を予定)を取得することで、本コースの修了が認定され、卒業時にコース修了証を授与する。
こうして文理の垣根を超えた幅広いカリキュラムを準備することで、本コースは、理系科目に親しんできた学生や、高等学校での「情報」科目に関心を寄せる学生の知的好奇心にも応える。2020年度に創設した「法曹コース」と並行して履修することも可能とするため、法曹を目指す学生にとっても有意義な学びの機会となることが期待される。
カリキュラム等の詳細については、今後、同学部ホームページ等で随時お知らせしていく。
科学技術・社会・法をめぐる研究の深化
新コースの教育プログラムを充実するのと同時に、同学部は、先端科学技術の法・倫理的基礎に関する学術的研究の基盤を整備することにも取り組んでいく。
「ビッグデータ」「AI」「遺伝子工学」「再生医療」等、科学技術の発展は目覚ましく、新しい話題が日々提供される状況下において、同学部が目指していくのは新しい科学技術が人間社会の持続可能性に対して与える影響に視座を据えた総合的な研究基盤の構築だ。
いうまでもなく、科学技術の発展には、人間社会の持続可能性を創り出す面と、それを脅かす面がある。いま、法学に求められているのは、人間と自然の双方の持続可能性を追求するという倫理観に基づき、先端科学技術に対する法規制・法政策のあり方を提示することであると、考える。
同学部ではこれまでにも、比較法研究所において、「持続可能な社会のための法学」を掲げて「Law and Sustainability学の推進」プロジェクトに重点的に取り組んできた。その成果は、今後、コース新設に先がけて開設された「先端技術の法・倫理研究所」(早稲田大学総合研究機構)に引き継がれ、ここを拠点としてさらに展開される。
このような研究体制を充実させるためには、現在のスタッフだけでなく、学際的な知見を有する専門家の参画を得ることが不可欠だ。そこで、文理の各分野を横断した研究協力体制を築くとともに、中長期計画 Waseda Vision 150 推進の観点から大学のバックアップも得て、(1)法の倫理的基礎論、(2)公法的規制・助成論、(3)私法的規律・調整論の分野において教育・研究を推進する若手教員と、これらの研究・教育全体を牽引するリーダーとなる教員を新たに採用する。
こうして強化された研究基盤は、人新世(注)の成熟した市民社会におけるあるべき法を探究し、その成果を教育へと還元する総合的な取組みとしては、日本初といえる規模を誇るものといえるだろう。
早稲田大学法学部は、教員・研究の両面において、世界的な学術研究の展開を強力にリードすることを目指していく。
(注)人類が地球の生態系や気候にまで重大な影響を及ぼすようになっている時代
■詳細リンク先(https://www.waseda.jp/folaw/law/news/2021/07/07/13596/)
新設する「先端科学技術と法コース」の概要
科学技術の発展に伴う社会の変化のなかで、いま、法が果たすべき役割が改めて問われている。科学技術が活用される場面が多様化するのに伴って、それらを適切に規律するために、分野横断的な法の展開が求められてきた。そればかりでなく、「アーキテクチャが法に代わる」との言説にみられるように、法のあり方それ自体についても、理論的検討の必要が意識されつつある。
この様な変化を背景に、同学部では「先端科学技術と法」というテーマを掲げて、こうした状況に正面から取り組む教育・研究の充実を新たに目指す。
この度2022年度に新設を決定した「先端科学技術と法コース」では、先進的な科学技術に関する理解を深めるだけでなく、科学技術の発展が人間や環境に与える影響を踏まえて、科学技術に関わる多様な法を体系的に学び、人と自然界の共生のあり方を倫理的な視点から考察する。同学部は、法的な物の見方によって、公平で均衡のとれた判断ができる人物を育てる学部であるべきという考えから、新設コースでは、先端科学技術が提起する現代の課題に取り組み、社会を導くことができるリーダーを育成することを目指す。
また本コースは、法学部生全学年が対象の特定履修プログラムであり、基礎・発展・応用と段階的に学びを深めていく科目群を設置。それらから一定数の単位(16単位を予定)を取得することで、本コースの修了が認定され、卒業時にコース修了証を授与する。
こうして文理の垣根を超えた幅広いカリキュラムを準備することで、本コースは、理系科目に親しんできた学生や、高等学校での「情報」科目に関心を寄せる学生の知的好奇心にも応える。2020年度に創設した「法曹コース」と並行して履修することも可能とするため、法曹を目指す学生にとっても有意義な学びの機会となることが期待される。
カリキュラム等の詳細については、今後、同学部ホームページ等で随時お知らせしていく。
科学技術・社会・法をめぐる研究の深化
新コースの教育プログラムを充実するのと同時に、同学部は、先端科学技術の法・倫理的基礎に関する学術的研究の基盤を整備することにも取り組んでいく。
「ビッグデータ」「AI」「遺伝子工学」「再生医療」等、科学技術の発展は目覚ましく、新しい話題が日々提供される状況下において、同学部が目指していくのは新しい科学技術が人間社会の持続可能性に対して与える影響に視座を据えた総合的な研究基盤の構築だ。
いうまでもなく、科学技術の発展には、人間社会の持続可能性を創り出す面と、それを脅かす面がある。いま、法学に求められているのは、人間と自然の双方の持続可能性を追求するという倫理観に基づき、先端科学技術に対する法規制・法政策のあり方を提示することであると、考える。
同学部ではこれまでにも、比較法研究所において、「持続可能な社会のための法学」を掲げて「Law and Sustainability学の推進」プロジェクトに重点的に取り組んできた。その成果は、今後、コース新設に先がけて開設された「先端技術の法・倫理研究所」(早稲田大学総合研究機構)に引き継がれ、ここを拠点としてさらに展開される。
このような研究体制を充実させるためには、現在のスタッフだけでなく、学際的な知見を有する専門家の参画を得ることが不可欠だ。そこで、文理の各分野を横断した研究協力体制を築くとともに、中長期計画 Waseda Vision 150 推進の観点から大学のバックアップも得て、(1)法の倫理的基礎論、(2)公法的規制・助成論、(3)私法的規律・調整論の分野において教育・研究を推進する若手教員と、これらの研究・教育全体を牽引するリーダーとなる教員を新たに採用する。
こうして強化された研究基盤は、人新世(注)の成熟した市民社会におけるあるべき法を探究し、その成果を教育へと還元する総合的な取組みとしては、日本初といえる規模を誇るものといえるだろう。
早稲田大学法学部は、教員・研究の両面において、世界的な学術研究の展開を強力にリードすることを目指していく。
(注)人類が地球の生態系や気候にまで重大な影響を及ぼすようになっている時代
■詳細リンク先(https://www.waseda.jp/folaw/law/news/2021/07/07/13596/)